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プレデター ザ・プレイ評論(20)
シリーズ5作目にして前日譚作品。戦士として徐々に成長するナルの物語として楽しめた。まずは蛇あたりから始めるプレデターさんの慎重さを見習って生きていきたいです。
物語はさておき、美術の担当者が終わってる。
登場人物の服装、道具、テントや家具、配置された倒木や石、そのた諸々の美術がぜんぶ新品。
様々なものに着色して経年劣化を再現しているが、表面が傷んでいないので新品にしか見えない。
例えるなら、歴史博物館などで見られる当時の生活を再現した等身大ジオラマと同じで、そこにある備品は古く見えるけども、「着色で加工されている」と一目でわかるのと同じだ。
落ちている木や岩も、ほとんど汚れておらずやたらに綺麗。
飼い犬が拾ってくる木の枝でさえ、土汚れや落ち葉のくずすら付いていない。
地面はやたらに平らに均されていて、綺麗だ。
◆理由2
CGとライティングが終わってる。
おそらく本作は、屋外ロケはほとんどしておらず、近距離範囲外のものはすべてCGだと思う。
ちゃんと屋外で撮影すると、「これは屋外で撮ったな」と直感でわかる。
なぜかというと、光源(太陽)は一つであっても、屋外には反射光やフォグによって複雑な陰影が出るからだ。
本作は、一目で「スタジオ内で撮ったな」とわかるような1方向のみのライティングで、周囲のCGはそのライティングに合わせて作られたため、結果、完全に「"昔ながらの"スタジオ撮り」にしか見えない。
また、CGの質も終わっていて、野生動物なんかは誰が見てもすぐにCGとわかるクオリティ。
とくに、アニメーションは一昔前のものに見える。
◆理由3
監督が無能。
絵の構図(人物との距離・角度)が数パターンしかない。正直、モノクロ映画の時代と同じレベル。
そのため、シーンが変わっても目新しさを感じず、淡々と描写されているように感じる。
戦闘シーンも同じで、ずっと同じ絵が続くので迫力に欠ける。
◆理由4
ミュージックビデオか、野生動物のドキュメンタリー映像のような、意識高い系の綺麗なシーンがやたら多い。
私の持論だが、映画のコンセプトとは無関係な意識高い系のキレイなシーンが挿入されてる映画はだいたいクソだと思ってる。
なぜならば、努力や情熱は映画を面白くするためのシーンに割くべきなのに、無関係なキレイなシーンに労力を割くような、映画の本質が見えていない人が監督ということになるからだ。
本作も例にもれず、クソだった。
◆理由5
プレデターが終わってる。
おそらく、インディアンに伝わるウェンディゴになぞらえたつもりなんだろうけど、プレデターの見た目が終わってる。
それと、プレデターのファンが求めてるのは、超先進技術を駆使するプレデターなのであって、人に毛が生えた程度の強さしか持たない雑魚プレデターを見たいファンはいないと思う。
狼に噛まれ、沼で溺死するようなザコはプレデターじゃない。
プレデターってのは”捕食者(強者)”って意味があるんだから。
上記5点を合わせて、前作「ザ・プレデター」以下のデキだと思った。
「ザ・プレデター」もゴミだったが、完全に内容を忘れたころならばもう一度見てもいいと思う。
だが、本作は死ぬまでの間にもう一度観ることはないだろうし、1週間と経たずに内容を忘れてると思う。
流石にあの文明レベルの差では負けんだろう。
もともと深い意味はない生き物なんだから、エイリアンみたいに宗教的なテーマに行かず、人数も増やさず、体が急にデカくもならず、単純に何かヤバい生き物としてガチンコバトル映画として作り上げたのが素晴らしい。
"インディアンVSプレデターVS西部開拓中の白人"というプロットは完全にマニア向けB級映画です。
しかし、「レヴェナント:蘇りし者」を彷彿とさせるアメリカの自然を背景にしたバトル(熊ファイトもあります!笑)は美しく、ビッグスクリーン映え間違いなしなのだが、配信オンリーなのが残念。
"マッドマックス 怒りのデス・ロード"に着想を得たという本作。新デザインのプレデターもカッコ良い。
今年の中でも好きな一本になった。
簡潔な内容を展開の上手さでカバーし、ナルとプレデターがお互いハンターの試練を受けているというのが面白い
お互いが追いかけっこするだけでなく、別の脅威によって新たな盛り上がりもあり飽きない。未知の武器で大量に狩っていく気持ちよさもしっかりある
1719年という時代の原始的な狩人が超文明のプレデターにどうやって勝つのか
高尚で対等な狩りを行うプレデターの魅力もあり、
1作目のオマージュを仕込ませる、監督の力量が素晴らしい これからが楽しみ