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ビー・ジーズ 栄光の軌跡評論(8)
ところが、SNFよりも前にヒット曲を出していた事(そういえば『小さな恋のメロディ』の主題曲も彼らだった…)や、ギブ3兄弟のロビンが一度脱退していた事があったとは知らなんだ。兄弟での音楽活動がいかに難しいかをノエル・ギャラガーやニック・ジョナスに語らせているあたり、説得力十分。
寝不足状態で観たため正直序盤はウトウトしかけたが、中盤以降からの音楽業界での浮き沈みには単純に驚くしかなかった。超絶大ヒット曲が歌い手を苦しめるというのはよくあるが、ビー・ジーズへのそれは強烈。SNFのヒットが思わぬ混乱・暴動を招いていた事も初めて知った。
紆余曲折あった後、兄弟で存命なのはバリーだけ。その彼が一人で歌う『スティン・アライヴ』の重さたるや。「僕らの音楽には生き続けてほしい」は、業界の酸いも甘いも嚙み分けてきた彼しか吐けない。
ドキュメンタリーだけど伝記ドラマもののような構成なのは、数々のブロックバスター映画をプロデュースしてきたフランク・マーシャルが監督を務めたからかも。
今年もミュージシャンが被写体のドキュメンタリーを沢山観てきたが、その中でも本作は出色の出来映え。
ビージーズは「小さな恋のメロディ」でその存在を知って、もっとこの映画の曲が登場するかな、と思っていたけど、、。
劇中でも「サントラがヒットするなんて」の台詞もあり、考えて見たら英国映画「小さな恋のメロディ」の大ヒットは日本だけだったんだった、と思い出した。
映画の中で初めてみたギブ兄弟のお母様、サングラスをかけていて目元はよくわからなかったけど垂れた眉毛はそのままロビン!
3人の中でロビンの笑顔はとびっきりで彼の輝く目元を見るたび心がポッとしたのを思い出す。
2003年にモーリスが、2012年にロビンがそれぞれ他界した際には1人追悼ビージーズをして再購入していたCDを聴いておりました。
作曲の才、歌唱の才、ルックスの映えも背丈も頭髪の毛量も最もあった長兄バリーだけが今も1人で歌っている。
遺された彼の孤独が映画ラストで顕になる。
「弟たちが戻ってきてくれたら成功は要らない」
冒頭の若かりし頃のバリーの強い意志(必ず成功して有名になる!)との対比が描かれ、改めて人の幸せとは何だろう?と考えさせられた。
そこには凡人には及びもつかない夢を手にした人の苦しみが確かにあった。
夢を与えられた側の私には感謝しかない。「失われた愛の世界」のLPを予約購入し、学校帰りにレコード店に駆け込んで手にしたときのワクワク感を今も覚えている。
ありがとう、奇跡のハーモニー。
そんな気持ちを思い出させてくれたこの映画にもありがとう。
80年代から目立たなくなったのって、ディスコ音楽排斥運動があったんですね。ビージーズをデイスコのジャンルに当てはめるなんて、60年代を知らない、音楽を理解していない、若い世代の人達だけだと思うけど、全ての曲を聞いて下さいって言いたい。メロディーラインとハーモニーの美しさはとても素晴らしいです。当時、モーリスの役割が良く分からなかったけど、バリーとロビンの中和剤だったんですね。天才はエゴが強いので、ぶつかり合うと直ぐ解散してしまうのですが、彼が一番
重要なポジションだったんですね。窮地に立つほど、新しいタイプの音楽を創るバリーの才能は、本当に凄いです。
弟のアンディの方が先に亡くなってしまったのは、当時、かなりショックだったのですが、バリーが80年代も作曲家として、活躍していたので安心しました。今は、、長兄のバリーだけが健在で音楽活動し続けているとのことなので、日本で是非とも再度来日公演して欲しいです。
大好きなビージーズ、ビートルズ、イーグルスのメンバーが殆ど亡くなっているので悲しいなぁ・・・
60-70年代の音楽が最高に好き! K.C.ケイスンが登場したのには驚きと嬉しさで一杯です。