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AGANAI 地下鉄サリン事件と私評論(1)
渋谷シアターイメージフォーラムにて鑑賞。
同日同じ映画館で上映中のロシア映画DAUを見ようかと思っていたが、ふと気が変わり本作を見ることに。オウム関連では森達也監督のAやA2も以前に見たが、本作はまた違った趣向。
監督と荒木氏との対話を通じ、荒木氏が被害者への思いを時折絞り出し逡巡しながらも結局麻原彰晃のマインドコントロールから逃れられていないことが浮き彫りになる。
麻原の責任の所在がどのくらいであったかはもう今となっては正確に確かめられない一方、確かでないからといって、麻原を未だ信奉するアレフという教団の広報担当として謝罪責任を果たさなくて良いかというとそれは違うのでは無いかと感じた。麻原にまつわる真実がどうであれ、サリン事件に何らか関与があった以上、アレフの道義的責任は免れないのではないか。
特に印象深かったのは2点。荒木氏の出家は94年だったが、95年のサリン後の96年であっても出家しただろうか?という監督の問いに、出家しなかったのではと荒木氏が答えたこと。もう一点は荒木氏が、アレフを抜きにするとごく善良な人であることが全編通じて感じられたこと。「およそ師を誤ることほど不幸なことはない」という林泰男被告への判決文は荒木氏にも当てはまるのではないか。
見終わった後非常にモヤモヤする映画だが、そういう映画こそ見るに値するものだと思う。