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U-571評論(5)
エニグマとかどうでもよくなるくらい面白いwww
ラジオで「潜水艦映画に外れなし」と配給会社の方が話をしていたのですが、個人的には的を射た意見のように感じます。「レッドオクトーバーを追え」や「クリムゾンタイド」等は、私的評価で5を付けられる名作でした。
そんな名作と比較すると、この作品は物足りなさを感じます。
潜水艦物が面白いのは、深海の閉ざされた中であるが故の「恐怖感」、「圧迫感」、「心理戦、心理的緊張」などが挙げられると思いますが、これらのものをこの映画から感じることが出来ませんでした。この映画を簡単に言えば、戦争ヒーロー映画で、潜水艦物にしたが故にスピード感や派手さがなくなってしまった、という印象です。
決して面白くなかったとは言えませんが、高い評価も難しい作品でした。
他のやたらとフェアプレーを推す潜水艦モノとは一線を介している。とにかく、ほぼ海上での戦闘シーン。
ドイツ軍のエニグマ解読のため、Uボート奪還を仕組んだ連合軍。U571の制圧に成功するも、敵方の潜水艦で海上を行くのはさらなる危険が伴う。
主人公は、艦長になりたくてなれなかった副艦長。そんな彼が突然の艦長(代理)就任。選択を、決断をせまられた彼の決断とその結果...彼が選んだ部下は、殉職する。
かみしめるように、成長する主人公と周りの仲間たち。艦長として、仲間に尊敬される立場でいなければならない自分にとって、必要なものが何かを、体感する主人公の成長も観れる
。
エニグマを奪取したのは1941年5月英海軍のプリムローズ作戦でU-110からでした。本作はこれにインスパイアされたフィクションとされています。1942年にドイツはエニグマを3ロータータイプから4ロータータイプに変更しており旧式は実際には役立たちませんでした。1942年U-559から英海軍が奪取しチューリング研究所に運ばれ計算機による総当たり法でやっと解読に成功しました(映画「イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密」に描かれています)。
公開当時、アメリカの手柄の横取り映画だとトニー・ブレア英首相が怒ったらしい、史実はともあれ潜水艦活劇としては面白いです。いくらなんでもたった9人で敵の潜水艦を乗っ取り操艦ばかりか修理して駆逐艦に勝ってしまうのは出来すぎとは思いますが・・。