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こんにちは、私のお母さん評論(4)
作品を通して、中国の驚異的な発展を改めて痛感した。
間違いなく『バック・トゥ・ザ・フューチャー』の影響を受けているが、違うのは、主人公の女子高生が自分が生まれなくても構わないから、母に幸せな人生を送ってほしいとあれこれ奔走する点。撮影時39歳のジア本人演じる女子高生は正直無理あるだろと思うも、童顔だからまぁなんとか見れなくないといったところ。もっとも極楽とんぼの山本っぽくもあったけど。
メイン舞台が1981年だが、同じ中華圏でも香港とは明らかに文化の発展が遅い。ちなみに81年の香港ではジャッキー・チェンやホイ兄弟の映画が隆盛を極めていたけど、本場中国では彼らの存在を全く知らなかったらしいから驚く。
元々コントから着想して生まれたストーリーとの事で、至るところでギャグ要素を盛り込んでいるが、これがかなりベタ。チャウ・シンチーもベタギャグが好きな人だったけど、中国人の笑いのセンスって一貫しているのだろうか。
ジアを含め、登場する俳優たちが皆イイ味出していたのもチャウ・シンチー作品に通底。特に工場長のドラ息子を演じていた男優が容姿も存在感もまんまムロツヨシ。あと何といっても若き母を演じた女優さんが可憐。彼女のライバル役だった子も可愛かったけど。
クライマックスのオチは予想していなかっただけに、正直してやられた感。鑑賞後は、誰でも母親を大事にしようと思うに違いない、"母親賛歌"映画。
特に、開始後1時間半ほど経過して以降の展開は主人公とお母さんの気持ちが徐々に解き明かされ、微笑みながらも頬伝う涙が止まらないという心に染みるものでした。
半面、導入部分が冗長な割に登場人物の相関関係が分かりにくかったかな?でマイナス1ポイント、試写会に来ているのに熟睡モードでイビキが聞こえてきた辺りは、その影響かと。
舞台は1981年の中国、TV(しかも白黒)を買うのがステータスのようだなんて、当時の日本とは経済状況などに雲泥の差が有ったのだな、と時代背景にも感じる物がありました。
バレー部大会の商品がラストの方に映り込んでいるのも良かったな。
この映画は、現在10月の時点でほぼドメスティック、いわゆる中国国内だけでワールドワイド、全世界の興行収入で世界一位となっていて二位の『ワイルド・スピード ジェットブレイク』に120億円の差をつけている。 この記録は多分破られはしない。
以前鑑賞した『唐人街探偵 東京MISSION』が単純にくだらない映画としか見えてこないのが、この中国製バック・ツー・ザ・フューチャーと呼ばれるタイムトラベル・コメディ『こんにちは、私のお母さん』を鑑賞した直後だったので、比較するには見当違いかもしれないけれども...
『こんにちは、私のお母さん』の印象として、冒頭の主人公の女性の幼少期の姿に少し、もらい泣きはしたけれども中盤ではこの映画が、本当にハンカチが必須アイテムの涙が必至と言われた映画なのか?本当にそうなのか?と疑いかけ、しかも涙せずに平気なうえに余裕で見ていた。
何だかんだとノンキに鑑賞していると、ところがラスト、20分を過ぎようとした時に映画の本質を知るフラッシュバック・シーンからいくら鈍感な人間でも号泣してしまいました。
子供の頃から母親に世話をかけ、一度たりとも母親に幸せであった想い出を作れなかった女性ジア・シャオ・リンが過去に戻って、少しの瞬間でも母親を幸せにしたいという親孝行ぶりをメインに描いた感動する物語と思っていたところが、その実は... という思ってみない物語のコアな部分に触れると涙も自然にしかも急にあふれ出るシナリオとなっているので、『こんにちは、私のお母さん』の方が、心が温まるし、『唐人街探偵 東京MISSION』よりもいいかなって⁉
このレビューは以前書いた『唐人街探偵 東京MISSION』についての焼き回しです。
悪しからず (💓ᴗ͈ˬᴗ͈)⁾⁾