名もなく貧しく美しく
プロット
日本
01月15日 1961 台灣上映
世界で一番美しい少年
プロット
スウェーデン
12月17日 2021 台灣上映
続・名もなく貧しく美しく 父と子
プロット
日本
05月20日 1967 台灣上映
春一番
プロット
日本
04月01日 1966 台灣上映
みじかくも美しく燃え
プロット
スウェーデン
01月01日 1900 台灣上映
いくたびか美しく燃え
プロット
アメリカ
09月27日 1975 台灣上映
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一番美しく評論(6)
戦中の兵器工場で働く女性たちを描いた映画。
戦中に製作された映画だそうで、
病になっても、重症を負っても、親が死んでも滅私奉公で働き続け、
自発的にお国のための公務を優先した女性たちが描かれている。
他に観るべきところはあっても、こういう映画に良い評価はしたくない。
・戦時中の工場が舞台だけど戦争色が薄くてとても見やすい
・みんなでカラカラ笑うとさわやかな気持ちになれた
この作品で確信したのは、僕は黒澤さんの描く男の集団が好きなんだということです。『七人の侍』しかり『椿三十郎』しかり、黒澤作品で男が寄り集まって笑いあったりしてるのが好きなんですよね。女集団には何か物足りなさを感じてしまったのも事実です。
毎晩熱が出てもそれを渡辺(矢口)に隠すように懇願する少女。国策映画としてではなかったらどんなに美しい映画と感じることだろうか・・・しかし、さすがは黒澤監督。そこまで女子工員たちを増産兵器への製造に駆り立てるものは何だろうかと感じさせる手腕は見事なもの。ところどころに敗戦が濃厚となるフラッシュがあったり、完全な国策映画の中に垣間見せる監督の(反戦の)想いが心に残る。特に顕微鏡を覗くシーンでは渡辺が疲れのためにフラッとなる意味と戦闘機の墜落が妙に一致してしまう。
そうした細かなところはあっても、しっかりと検閲を通って(というより、情報局選定となっていた)いるのだから見事。
75年以上昔の映画、それも戦争中のものだから今とは時代が違うのだから観る意義はない?
黒澤明の映画だからしか観る値打ちがない?
とんでもない間違いだ
これは疑いも無く反戦映画だ
どこの国でも女性を戦時中は労働力として活用している
それ自体は国際的にも普通の事だ
しかし此処まで女学生達を追い詰めて働かせ無ければならなかったのだ
やりがい搾取という言葉が現代にはある
本作で描かれる女子挺身隊の彼女達の姿は疑いも無くそれだ
そして現代、女性が働くことは当たり前の時代だ
というか戦時中と同じ様に自ら進んで働く事が当然とされている
シフトによって、土日もなく、女性でも深夜にだって、24時間働いているのだ
人手不足でお店が回らないなら、休めずに連続出勤を続け、シフトが終わっていても帰れない
そんなことは日常的に誰だって経験者しているだろう
ちょっとくらい熱がでても迷惑かけるから身体をおして出勤した事だって二度三度あるだろう
子供が熱をだしても独り家に寝かせて、後ろ髪を引かれる思いで出勤したこともあるだろう
だから慢性的に疲れていて、ギスギスいがみ合ったりする職場もあるだろう
それらはすべて本作で描かれている事と同じだ
どこが違うというのだ
青年隊長の渡辺ツルの姿は、女性社員やパートばかりの職場の店長や部門のチーフと何が異なると言えるのか?
渡辺や女子挺身隊の女性達に自分を重ねる人も多いのではないか
だから、これは現代でも反戦映画だ
働き方改革という反戦映画だ
工場長のいう責任感や人格の向上
素晴らしい美辞麗句だ
やりがい搾取だ
本作を観てハッと気がついてこれではいけない
何かがおかしい
根本的に何かが間違っている
当時でもこのニュアンスを感じ取れたのでは無いだろうか
そして現代の私達には検閲は無い
このテーマの作品を現代に置き換えてリメイクするべき、現代でこそ切実なテーマなのだ
知られた俳優は工場長の志村喬くらい
あとは殆ど無名の役者達
女子挺身隊の女性達もしかり、しかも女優らしい美人は一人もいない
しかし彼女達は劇中で懸命に働いている、それは一番美しくあるのは誰かを競っているのだ
黒澤明34歳独身
渡辺ツルを演じた主演の矢口陽子23歳
黒澤明は本作の翌年5月に彼女と結婚する
彼の方が手紙を沢山だしたりして積極的なアプローチをしたのだという
もちろん、演じた役と役者本人とは違う
けれども彼女の演技には渡辺ツルと似た芯の強いリーダーシップというようなものが伺える
結婚後は役者を辞めて映画監督の妻として内助の巧を発揮して、映画関係者からゴッドマザーと呼ばれたという
世界の黒澤明は彼女が支えていたのだ
黒澤明からは彼女が一番美しく見えたのだ
女子挺身隊の本当の姿は本作のとおりだ
韓国や偏向的マスコミの慰安婦との意図的な混同は噴飯もののデタラメで悪意を持って主張されているものであるという事がハッキリ判るだろう