時間の迷路にはまり同じ日を繰り返さなければならなくなった男がタイム・ラビリンスから抜け出し恋を成就させるまでを描いたコメディ。監督、脚本は「ボールズ・ボールズ」のハミルド・ライミス。製作はライミスとライミスの監督作すべてに関わってきたトレヴァー・アルバート。エグゼクティヴ・プロデューサーは「チャイナタウン」のC・O・エリクソン。原案・共同脚本はこれがデビュー作となるダニー・ルービン。撮影は「ザ・シークレット・サービス」のジョン・ベイリー。音楽はジョージ・フェントン。主演は人気コメディアンで「恋に落ちたら…」のビル・マーレイと「グリーン・カード」のアンディ・マクドウェル。共演は「アビス」のクリス・エリオット、「靴をなくした天使」のスティーブン・トボロウスキー、「ディス・イズ・マイライフ」のマリタ・ジェラティ。ライミス監督も医師の役で出演。
恋はデジャ・ブ評論(20)
1日ループ系の分かりやすい題材で取り上げられたわかりやすい作品でした。
同じ1日がリセットされ続けるのだとしたら、人はどうするのでしょうか。何度も自殺してみたり、無茶苦茶ゆってみたり、計算しつくしたアプローチを試してみたり。
一番輝くのは自分の魅力を最大限に活かした時なのかなと思える前向きな作品です。
主人公は初め、自分の欲求を満たすことに時間を使う。それでも欲は日に日に満たされ、そのうち毎日訪れる2月2日に別れをつべるために自殺を繰り返すも、目覚めると2月2日。
何十回目かも分からないある日、浮浪者の死に立ち会い、彼を救う日々が始まると同時に、人を助けるために日々を生き始める。また、ピアノや文学に親しみ、文化的教養を身につけて行く。
この作品は、日常を愛するための方法を教えてくれている。「同じ日を繰り返す」というのはメタファーで、私たちもおなじように「毎日同じことの繰り返しで嫌だ」「このまま何者でもなく年老いるのか」といった、同じような日々を過ごしているという漠然とした不安に包まれ過ごす恐怖を抱えているのではないだろうか。
その不安を解消する方法の一つとして、文化的教養と利他的行動こそがクリエイティブな生活をもたらすと教えてくれる作品だった。
また、世界を愛することで、愛される存在になるということを説教臭くなく描ききった名作。