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男はつらいよ ぼくの伯父さん評論(11)
とっても応援してやりたい
でも許せないところもあって複雑ですよね
家族と恋は
満男視点が徐々に濃くなり、男はつらいよシリーズもいよいよ満男の恋物語になった。親には相談できない恋の悩みも寅さんにだったら打ち明けられる。そこで出てきた話が「自分のことを醜く知ったら、もう決して醜くなんてない」という博から教わった言葉。一方で、一緒に酒を飲んだ満男を心配する博とさくらはその後に旅に出た彼にもやきもきさせられるのだ。
佐賀の宿屋で相部屋という偶然過ぎる展開もなかなかいいものですが、両親の気持ちはほったらかし。浪人という人生の境目でもある時期なだけに、一人旅によって成長する満男の姿には共感できる。旅の途中に笹野高史演じるゲイに迫られるシーンもこのシリーズでは新しいことかもしれません。
佐賀についてからは、泉(後藤)の叔母である壇ふみに一目ぼれしそうになったけど、高校教師の尾藤いさおという夫がいた。突然バイクでやってくる青年なんて不良なんだと決めつける夫と、それを嗜める妻。帰り際に改まって反論する寅さんの「誇りに思ってる」という言葉がとても良かった。ケンカにならなくて本当に良かった。
満男と泉の別れのシーンでは「軽いノリでアイ・ラブ・ユー」と言ってキスしようとするが、フルフェイスのヘルメットがいずみの額に当たる・・・これは寅さん2世を感じざるを得ない。
青春恋物語としては面白いのだが、笑える場面が少ないのが残念。一番面白かったのは、満男が無事に帰ってくるときに、何かバイクのコンテストに優勝でもしたかのような凱旋帰宅だったところだろうか。寅さんの破天荒な旅もいいが、単独ツーリングもなかなか。車で旅に出たくなった。
シリーズ42作目。
シリーズも終盤になって、新展開に。
寅さんが脇に回り、甥の満男が話のメインに。
満男の不器用な恋に伯父さんがアドバイスするという、いよいよ来るべき構図が出来上がった。
勿論これには事情が。渥美清の年齢と体調。
さすがにいい歳して、いつまでも惚れてフラレてじゃあ…。(まあ、それが寅さんだけど)
そして、徐々に渥美清の身体を蝕んでいく病…。
結果的にこの方向転換がシリーズ継続の主流となり、シリーズに新たな魅力をもたらす事に成功。
さて、そんな“甥っこもつらいよ”の第1弾は…
未だ浪人中の満男。ここ最近ずっと何か悩み、苛々苛々両親に当り、口喧嘩が絶えない。
さくらも博も出るのは溜め息ばかり…。
今回このさくら・博・満男の家族ドラマも見所。
思春期の苛々、それを抱える両親。
序盤のぎくしゃく感、何かを得て旅から帰って来ての仲直り…。
分かる人も多いのでは?
そんな時帰ってくる寅さん。
さくらに頼まれ、ご馳走がてら話を聞いてくれる事に。
まずは、お酒の飲み方から。ここが笑える。
少しお酒が入って気が和らぎ、いよいよ本題。
進路や将来の事ではないようだ。
となれば、察しが付く伯父さん。
恋。
そうか。お前も恋に悩む年頃になったか…。
両親には話せないのに、何故か伯父さんには。不思議なもんである。
相手は、高校時代の後輩。複雑な家庭環境の娘で、手紙でやり取りしてるのだが、その手紙が何処か寂しさ綴られ、以来満男は気になって気になって仕方ない。
そんな胸に秘めた想い、邪な想いまでぶちまけ、伯父さんは励まし、やっと満男の気も晴れる。
…と、ここまでは良かった。
その後二人でべろんべろんになるまでお酒を飲むという大失態。しかも、満男はまだ未成年。
怒り、呆れるさくらたち。
程なく、寅さんは旅へ。
それからすぐ、事件は起きた。
満男は両親に書き置きを残し、オートバイを走らせ旅に出る。
さくらたち、大心配。
満男の旅の目的は言うまでもなく、あの娘に会いに…。
再会するまでの旅が一波乱二波乱あり。
手紙を頼りにまず母親と暮らしているという名古屋に向かうが、すでにおらず、母親の妹の居る佐賀で暮らしているという。(母親役は夏木マリで、今回は顔見せ程度だが、後にマドンナとして再登場)
佐賀へ。オートバイでスピン。親切な中年ライダーに助けられる。ところがこの人、そっち系の人だった…!
「満男さ~ん」と、笹野サンが爆笑珍演。ちなみに、寅さん出演の中で一番の役柄である(笑)
やっと辿り着いたあの娘の元へ。
名は、泉。
遂に登場の後藤久美子!
遥々オートバイを走らせてきた甲斐があるTHE美少女!
そりゃあ満男でなくとも想い焦がれるよ。
歴代最年少マドンナながら、本作を皮切りに45作目まで連続出演。最終48作目と、年末の最新作にも登場!
シリーズの終盤に華を添えた名マドンナである。
近くの旅館に泊まる満男。その相部屋の相手は何と、お、伯父さん…!?
このご都合主義はご勘弁を(^^;
伯父さんの指南を受け、ぎこちないデート。
明るく振る舞う泉だが、ある時家庭事情の事で涙を流す。
気の利いた事を言えない満男。悔やむ。
でもね、そんな不器用な所が満男なんだよなぁ…。
見てて苛々するくらいのウジウジくんだけど、この不器用さ、誰だって共感出来ると思う。
一方の寅さんは…、
泉の美しい叔母さんにポ~ッ…。演じるは、2度目の出演となる檀ふみ。
でも、あくまで今回はそれだけ。相手は亭主持ち。
で、その亭主というのが高校教師で、寅さんの天敵インテリで、さらにイヤミ。(演・尾藤イサオ)
満男が東京に帰る際、説教じみたイヤミを。
お別れの挨拶に来た寅さんにもチクリとイヤミを。
そしてこの時、寅さんが言った台詞が目頭熱くさせるのである。
「私のような出来損ないが、こんな事を言ったら笑われるかもしれませんが、私は甥の満男は間違った事をしてないと思います。慣れない土地へ来て、寂しい思いをしているお嬢さんを慰めようと、両親にも内緒で遥々オートバイでやって来た満男を、私はむしろ褒めてやりたいです」
ひと昔前だったらあんなイヤミを言われたら、「何この…!」と手を出していただろう。
しかし伯父として、一人の大人としての対応。
寅さんの満男への愛情を深く感じる。
何でも、寅さんを知らない世代に寅さんを見せたら、多くの若者が寅さんのこの台詞に感動したという。
今回もOPの夢はナシで、満男の伯父さんへの語りで始まる。
どうしようもない伯父さんだけど、それでも最近この伯父さんに魅力を感じるという。
きっとその魅力は今回の旅を通じて、いい影響と尊敬の念になった事だろう。
またそれは、演じた渥美清と吉岡秀隆の関係性にも言える。
寅さんの血を引いてるだけあって、満男の恋の行方はなかなか成就せず。
別れ際、大失態&大無様を披露!
若い二人の恋路は続く…。
#男はつらいよぼくの伯父さん 鑑賞
第42作目
マドンナはいるけれど特に寅さんと恋仲になることはない。恋愛は満男と及川泉に任せていく感じ。それだったらマドンナは不要じゃないかな?と思ってしまいました。
舞台に吉野ヶ里とか小城とか佐賀満載です。
とりあえず寅さんシリーズ制覇‼️