E・M・フォースター原作の同名小説をイギリスの名匠ジェームズ・アイボリー監督が映画化した恋愛ドラマ。まだ封建的な思想が強かった20世紀初頭。フィレンツェを訪れたイギリス名家の令嬢ルーシーは、ホテルの“眺めのいい部屋”を譲ってくれた青年ジョージから情熱的なアプローチを受ける。だが、階級や身分の違いを気にしたルーシーはジョージの思いを受け入れずに、イギリスに帰国。貴族の青年セシルと婚約するが……。出演はヘレナ・ボナム・カーター、ジュリアン・サンズ、ダニエル・デイ=ルイス。2012年、デジタルリマスター版でリバイバル。
眺めのいい部屋評論(11)
全体的には非常につまらないストーリーです。何故作品賞を獲れたのかもわかりません。確かに俳優陣の演技は素晴らしく、人間関係やそれぞれの心を感じるのですけど、所詮は貴族のお遊びと恋愛要素が強く、働きもしない人たちの人生なんて苦悩の微塵も感じられず、全てが軽すぎます。牧師がもっと庶民的に扱われていたら面白かったかもしれません。
2回目は母を伴っていたので、この映画のシチュエーションに近づけてヴェッキオ橋のたもとに投宿。
"眺めのいい部屋"をメールで頼んであったので、ベッドルームの小窓から宮殿の塔やドゥオーモが見えた。
劇中、ハンサムな御者とイチャイチャしていた金髪の娘いましたね⇒ウフィツィ美術館のフィリッポ・リッピの絵画にそっくりな娘を発見!
あと、好きなシーンはルーシーが馬車を止めさせて幌を開けさせる所ですね。つきまとう乳母から独立して脱皮をしようとする印象的な演出です。
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お盆は、フィレンツェはシーズンオフで安いんですよ、意外でしょ?クリスマスが一番高い時期です。
ルネサンスと映画の世界にタイムスリップ。ぜったいオススメです。
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ガイド本は「地球の歩きかた」
総合:60点 ( ストーリー:60点|キャスト:70点|演出:65点|ビジュアル:70点|音楽:70点 )
最初のイタリア編では科白まわしや演技が古くて、しかも映像は風景は美しても赤色が強くて人の肌がのきなみ赤を帯びているし鮮明でもない。そのため1986年の映画だがまるで60年代くらいの古い映画のように感じた。
恋愛映画だが、わずか3日ほどの出会いでそこまで2人が恋愛にはまるのがよくわからない。またその後、広いイギリスでは偶然彼らが近隣に引っ越してきたのだろうか、または仕組んで狙って引っ越してきたのだろうか、本当にイタリア美術が縁での引っ越しなのか気になった。もしただの偶然ならば、その偶然が無ければこの話はイタリア編を最後に二度と出会うこともなく終わっていたということだろうか。
終りの部分でルーシーが男を見極めるための基準をジョージに教えられて知り、婚約者がいる彼女の嘘で自分の望む形に流れを変えていく姿は見せ場。階級社会の英国で身分違いの下品なジョージの父親の姿を見せておきながら、人間性が実は良かったというのは面白かった。
でもそこに辿り着くまでの展開が不満だし、恋愛が盛り上がっている理由がはっきりせず長く感じた。演出が良くなかったのかもしれない。
同じジェームズ・アイボリー監督で同じ原作者のE・M・フォースターの作品で、本作の1年後の1987年公開の『モーリス』があるが、こちらは格調高く質の高い優秀な作品だった。それに比較して全ての項目で水準が下がる。
笑えるラブコメ♡