草なぎ剛演じるトランスジェンダーの主人公と親の愛情を知らない少女の擬似親子的な愛の姿を描いた、「下衆の愛」の内田英治監督オリジナル脚本によるドラマ。故郷を離れ、新宿のニューハーフショークラブのステージに立つ、トランスジェンダーの凪沙。ある日、凪沙は養育費目当てで、少女・一果を預かることになる。常に社会の片隅に追いやられてきた凪沙、実の親の育児放棄によって孤独の中で生きてきた一果。そんな2人にかつてなかった感情が芽生え始める。草なぎが主人公・凪沙役を、オーディションで抜擢された新人の服部樹咲が一果役を演じるほか、水川あさみ、真飛聖、田口トモロヲらが脇を固める。
ミッドナイトスワン評論(20)
社会から認められない方は沈んで行き、才能がある方は白鳥として羽ばたくお話。
何故男の身体で生まれたのか苦悩する姿は無条件に泣けた。
観客のほとんどが草なぎ剛目当てだったみたいだけど、社会派映画が好きな人に特におすすめ。
鑑賞後はしばらく立ち上がれず、ダラダラと泣き続けた。運転ができず、途中のコンビニ駐車場に避難した。こんな映画は初めてだ。監督が何の後ろ盾もない映画だからと必死に宣伝されていたが、もし、これを評価しなかったなら日本映画界に未来はないと思った。
観終わった直後のあの感情をどう表現すればいいのかわからない。
受け取ったものが多すぎて呆然。
それほど心揺さぶられた。
傷を抱えながら懸命に生きる登場人物たちのリアル。
バレエの美しさと厳しさ。
凪沙(草彅剛)と一果(服部樹咲)の幸せを願わずにはおられない。
愛を得た二人は哀しくもとても強く美しかった。
埃っぽさもあるけれど儚くて美しくて
健気で一途な想いで
丁寧な生き様を見させていただきました