白塗りの化粧と貴族のようなドレス姿で横浜の街角に立っていた老女、ハマのメリーさんを追ったドキュメンタリー。かつて絶世の美人娼婦として知られ、本名も年齢も明かさないまま、戦後50年間にわたって街角に立ち続けたメリーさん。その気品ある立ち振る舞いは横浜の風景の一部ともなっていたが、1995年冬にこつ然と姿を消し、いつしか都市伝説としてささやかれるように。病で余命わずかなシャンソン歌手・永登元次郎さんをはじめ、メリーさんを知るさまざまな人物の証言を通してその実像を浮き彫りにするとともに、彼女が愛した「横浜」とは何だったのか検証していく。
2005年製作で06年の公開時は2館でのスタートから次々と上映館を増やして半年以上のロングランヒットを記録、文化庁記録映画部門優秀賞など11の賞を受賞した。17年10月、今作を手がけた中村高寛監督の新作「禅と骨」の公開にあわせてポレポレ東中野にてリバイバル上映。20年10月にも映画誕生15周年を記念してリバイバル上映。
本站關於電影海報,預告,影評,新聞,評論的綜合性電影網站,我們提供最新最好的的電影以及在線影評,業務合作亦或意見建議請電郵我們。(Copyright © 2017 - 2022 KKTM)。聯絡我們
ヨコハマメリー評論(11)
とても上品で高い声の夫人でした。映画になり詳細を知るのですが、とても感慨深く鑑賞しました。伝説の方と実際に触れ合えて幸せだなと思いました。
是非皆さまにも観て頂きたいです。
ホラー映画と見間違うかのような、強烈なパッケージ画像だった。
よく見ると、白塗りの濃いお化粧に、フリフリのドレスを着た老女が、気品のある笑みを浮かべている。
これがメリーさん、実在した人物だ。
戦後の横浜で外国人将校を相手に娼婦をし、時代が移り変わっても街角に立ち続けたメリーさん。
その異様な風貌から、横浜で知らない人はいないほどの『謎のホームレス』となったが、いつの間にか姿を消す。
そんなメリーさんを追ったドキュメンタリー、それが『ヨコハマメリー』である。
彼女と接点のあった人々が語る、気高きメリーさんの姿や、激動の時代背景。
そして、メリーさんを映した貴重な映像。
どのシーンも、観る価値がありすぎた。
こうして映画という形になって世に残り、本当に良かった。
昔、根岸家でお座敷芸者をしていた五木田京子さんが、力強く三味線を鳴らしながら歌う姿も必見だ。
魂を揺さぶられること間違いなし。
当時、根岸屋に通っていたヤクザなおじいさんの口から飛び出す『刑務所』『○ちん』などの言葉にはドキッとしたが、これがまた味があって良い。
癌と闘ったゲイのシャンソン歌手、元次郎さんも素晴らしかった。
特に、映画終盤で歌う姿に心が震えた。
あのシーンでの大きな感動は、メリーさんに思いを馳せる全ての人々に、あたたかな余韻を残すだろう。
マニュアル化され、みんなが同じ顔をした現代で、白塗りのメリーさんが貫いた人生は「粋」でかっこいいです。
また、メリーさんを知る登場人物も自分の美学を昇華させている魅力的な方ばかりでした。不寛容な社会の中で、寛容さのある良き時代が羨ましく思えます。
ラストに見せたメリーさんの微笑みは、自分の人生を生きてみようと自信を持たせてくれました。
中学時代、本物のメリーさんに話しかけられたことがあっただけに、謎が解けた思いだった。
今作の何が凄いかというと、ドキュメンタリー作品であるのにも関わらず、
ナレーションが一切ない。それで92分持たせているところに、中村高寛監督の非凡さを感じずにはいられない。
DVDも購入し、何度となく見ているが、煌びやかで表層的な横浜ではなく、割と泥臭い横浜の姿が映し出されている。横浜という街を介して、日本の戦後史を雄弁に語った作品である。