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バグジー評論(8)
頭がキレているようで詰めが甘いというか周りの仲間からの信用を失い家庭を捨ててまで選んだ女は問題アリで「グッドフェローズ」の主人公H・ヒルの奥さん同様にイライラするがドッチも実話で。
H・カイテルは地味な存在感で本作で描かれるM・コーエンは物静かな物分かりの良いバグジーの子分的扱いで腑に落ちない!?
危機が迫ったり恐怖心を感じたり窮地に陥った焦りなどの描写が皆無で実話のギャング映画としては若干、物足りないが自伝映画としては楽しめる。
華やかで破天荒な半生。
妻子ある身なのにバージニアという誰とでも寝るような女にうつつをぬかす。最終的にはそのバージニアが200万ドルを盗んだとされるが、実際はどうだったんだろう。彼が死んでから金を返したようだが・・・その後自殺したというのも納得だ。フラミンゴホテルなんて発想は純粋な気持ちの表れ。遠くまで飛べないところが、この男の末路を示しているかのようだった。本人は虫だと思ってたようだけど。
やっぱりバブル期に作られた映画。今観ても何の感動もないのかも・・・
自ら選ぶおしゃれな服に身を包む伊達男で、企画力や行動力はあるけれども、派手で傲慢で気分やで緻密な計算は出来ない。金遣いの荒そうな自分の女一人に好き勝手に金の管理を任せ、建築計画を現場で見ては急に変更させてしまい、当初計画の6倍もの予算超過をするほどの大雑把さと無計画性を示してしまう。
自ら道を切り開く起業家精神はあっても真の起業家というよりは所詮ヤクザにすぎなくて(それに別に本人も自分を起業家だとは思ってはいないだろう)、必ずしも彼を偉大だとは思わないし好きにはなれないのだが、それでも夢を見て行動をして現実社会に大いなる足跡を残した男の波乱に満ちた人生を興味深く眺めることが出来た。ラスベガスの街は派手で軽薄で上辺だけ取り繕っている感じがして必ずしも好きではないが、それでも世界に知られた娯楽の街として大人気なのも事実で、彼の先見性があったということだろう。衣装と当時のセット・出演者の演技・演出もなかなかの質。