宇宙人東京に現わる

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突如起こった空飛ぶ円盤騒ぎ。それと呼応するかのように、日本各地で目撃されるヒトデ型の怪物。その正体とは、原水爆の脅威を地球に警告するために飛来したパイラ人だった…。

パイラ人のデザインを、「芸術は爆発だ！」でお馴染みの奇才・岡本太郎が手掛けたことで有名な、日本初の総天然色特撮映画。特撮を担当したのは、後にウルトラシリーズなどで活躍することになる的場徹。パイラ人が地球人女性に変身するシーンや、新天体“R”接近による大津波のスペクタクルなど、その手腕が遺憾無く発揮されていました。

パイラ人は、自分たちの文明が原水爆の乱用によって、滅亡寸前まで進んでしまったことを教訓に、“宇宙道徳”という理念に基づいて行動している種族。地球でも同じことが繰り返されようとしているのを察知して、危機を警告しにやって来たのでした。その前線基地として日本を選んだ理由、それは地球の国々で唯一原水爆による被害を受けたから…。

“R”衝突を回避するためには、地球上に存在する原水爆全てを撃ち込み、“R”を破壊するしかない…。そう唱えるパイラ人の助言に従い、日本の科学者たちが世界中に働き掛けましたが、核保有国はすぐには首を縦に振らない…。
さらに、この期に及んで、核以上の破壊力を発揮する新物質“ウリウム21”を狙い、某国エージェントが発見した科学者を拉致監禁し、製造方法を差し出せと迫る始末…。滅亡を前にして、それになんの価値があるというのか？
そんな人類が迎える結末は、未来への希望に満ちたもので、本作に籠められたメッセージが今なお色褪せないものであることを痛感させられました。一刻も早く、このメッセージが色褪せる瞬間の訪れることを願って止みません。

【余談】
パイラ人が登場する際の効果音は、後にガメラの回転飛行時のジェット音に流用されました。