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火の壁 プロット 日本 12月15日 1959 台灣上映
火の馬 プロット ソ連 03月22日 1969 台灣上映
火星人メルカーノ プロット アルゼンチン 02月26日 2005 台灣上映
山の焚火 プロット スイス 02月22日 2020 台灣上映
海の花火 プロット 日本 10月25日 1951 台灣上映
花火の舞 プロット 日本 11月27日 1952 台灣上映
火宅の人評論(7)
70年代に実録ヤクザ映画で一時代を築いた深作監督は、80年代にはオールスター映画や文芸大作に抜擢されることが多く、今考えるとそれは違うだろうという方向性なのだが(90年代にまたバイオレント映画で気を吐くのを見れば明らか)今作はどうか。
面白い!無頼派の原作を上手く自身の得意なエンタメに引き寄せ、役者の魅力を引き出し、見どころもちゃんと作ってる。
大雨の中いきなり家に帰ってくる妻のシーン。愛人と悶着し部屋で大暴れする一連のシーン。どれも見事ですわ。
緒形拳のリアリティある優柔不断さ、ズルさ、弱さの演技が素晴らしい。原田美枝子・松坂慶子のおしみの無い裸体良し。しかし最後はいしだあゆみがさらってしまう。
正直深みはないが、文芸エンターテイメントとして完成度の高い作品でした。
タイトル“火宅の人”とは、火に包まれた家の如く、煩悩や苦しみに包まれた人という意味で(確か合ってるハズ?)、緒形拳演じる主人公を表した、なるほど天晴れなタイトル。
男と女の腐れ縁というか、男と女の生々しい姿、男の駄目姿、女の逞しさ…等が、時にユーモラスに時に哀しげに描かれていた。
主演の緒形拳がとにかく巧い!
「復讐するは我にあり」「楢山節考」等での硬派な名演が印象深いが、「鬼畜」にも通じる駄目男振りもリアリティたっぷり。
何を演じても巧い、数年前に亡くなられてしまったのが本当に惜しまれる。
三者三様の女優陣は誰もが印象深いが、とりわけ原田美枝子は圧巻の一言。
最近は優しい母親等脇が多いが、本作では大胆な濡れ場やヌードシーンに体当たりで熱演、若い頃から名女優だったんだなぁと改めて感じた。
また、いしだあゆみ演じる、貞淑そうに見えて実は肝が据わってる女房も印象深い。
今はこういう映画はあまり作られない。
昔は良かった…とはあまり言いたくないが、今また、こういう人間の本質に迫る骨太な映画が作られて欲しいものだ。