ジュール・ヴェルヌの小説『中国での中国人の苦難』(Tribulations of a Chinese in China)をダニエル・ブーランジェとフィリップ・ド・ブロカが脚色、「リオの男」のフィリップ・ド・ブロカが監督したアクション編。撮影はエドモン・セシャン、音楽は「柔らかい肌」のジョルジュ・ドルリューが担当した。出演は「リオの男」のジャン・ポール・ベルモンド、「何かいいことないか子猫チャン」のウルスラ・アンドレスのほかに舞台出身のジャン・ロシュフォール、ヴァレリー・インキジノフなど。製作はアレクサンドル・ムヌーシュキンとジョルジュ・ダンシジェール。
カトマンズの男評論(3)
・気球から垂らされた縄に町中振り回される、ベッドコースターでカーチェイス、爆破スタントで逃げ回る、ぬるぬる坂道、飛行中の機体に飛び乗るなどまるでビートたけしのどバラエティの発想で笑ってしまう
・中国の港町から海、山、空と移動する様は007にも似たドタバタ
間髪入れずにアクションシーンの連発で息つく暇もないようでユル〜い場面の脱力加減。
ベルモンドがJ・チェンばりにアクションをコミカルに演じたある意味J・チェンの先を行っていたんではないか!?
とにかく当時の撮影技術であれだけの映像にアクションが撮れたことに脱帽。
ここまでナンセンスにおっかけをやると逆に脱帽。思想性とか脚本の見事さからは程遠い原始的な映画の姿が見れます。
実際にロケしたと見える手間とわずかなシーンもしっかり体を張るというその熱意。竹で組んだ足場のシーンなどはジャッキーチェンにも負けてない(元ネタかも)
ただ全体通してゆる~いという妙なバランスの映画です。
ベルモンドとウルスラ・アンドレスを見てニヤニヤするだけの鑑賞でもいいかもしれません。