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ミナリ評論(20)
- 韓国、軍事政権時代にジェイコブとモニカは豊かな生活を夢見て、心臓に病を抱えるデビッドとしっかり者の娘アンと4人で、アメリカ・アーカンソー州の片田舎に移り住む。韓国野菜農業での成功を夢見て・・。-
■感想
・年代は、レーガン大統領が一瞬映されるので、1980年代であろう。
韓国では、”漢江の奇跡”と呼ばれた高度経済成長が続いていたが、一方では光州事件に代表される軍事政権が国を支配していた。
ジェイコブ達が、アメリカに来た背景は特に語られていないが・・。
物語は淡々と進む。彼らが漸く到着した家は、トレーラーハウス。愕然とした表情のモニカ。
- 喧嘩の絶えない二人に子供達が"喧嘩は止めて"と書いた紙飛行機を必死に投げる姿が、沁みる。広大な土地に君たちしかいないのだから、力を合わせようよ・・。-
・ジェイコブが、購入した土地の土を握りしめて言う言葉。”アメリカ最高の土地だ。だから、ここを購入したんだ・・。”確かに、肥沃な土の様に見える。そして、自力で水源を探すジェイコブの姿。
ー 彼の開拓者精神が、良く分かるシーンである。トレーラーハウスの周囲の緑が印象的である。が、そこには嵐もやってくる。自然の脅威との共存。ー
・ギスギスした夫婦関係に中、韓国からモニカの母がやって来て・・。
- 文盲で、明るくて賭け事の好きなおばあちゃんの姿が良い。彼女が、近くの川辺に植えたセリ。生命力の強いセリは移民してきたジェイコブ一家の逞しさの”象徴”であろう。
ラストシーンとの繋がりも、良い。-
・最初は、おばあちゃんを遠ざけていたデビッドが、徐々におばあちゃん子になって行く姿。
ー おばあちゃんと亡きおじいちゃんは、朝鮮戦争で国を守った人たちなのである。
そして、ジェイコブを手伝うポールが、毎週日曜日に十字架を背負って歩く姿。彼も、朝鮮戦争に従軍した際に心に傷を負ったのであろうか・・。ー
・そのおばあちゃんが、脳梗塞になってしまい、起きてしまった悲劇。
ー 自分の侵してしまった事に驚き、家とは反対側に歩いていくおばあちゃんを必死で、引きとめるデビッドとアンの姿。きっと、ジェイコブ一家は、おばあちゃんを責めることなどせず、逞しく生きていくだろう、と思う。ー
・そして、ジェイコブとデビッドがおばあちゃんが撒いたセリの種から、立派に成長したセリを刈り取るシーン。親から子へ。子から孫へ、生命力が引き継がれていく様子を表した見事なシーンである。
<韓国移民の一家が、様々な経験をしながらアメリカの土地で、苦労しながらも逞しく生きていく姿を静かなトーンで描いた作品。
エンドロールで流れる”すべてのおばあちゃんに捧ぐ”という言葉が、儒教思想が浸透している、韓国の強さを示している作品でもある。>
更地から大農場になるまでのアメリカンドリームの映画なのかと思ったら全然違いました。
内容も苦労話を中心とした暗くてネガティブな内容ばかりで面白いと感じる要素が何一つなかった。
韓国人が見たら面白いのかもしれませんが日本人が見ても面白くないと思います。
本作品で描きかったことは結局何だったのだろう?
どうという事は無いのですが、エンドロールが終わり明るくなるまで、席でぼんやり考え込んでしまいました。
私には今ひとつでした😅
アカデミー賞候補と前評判が高いだけにがっかりしました。
期待しすぎでしたね。。