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荒野の七人 真昼の決闘評論(4)
映画 #荒野の七人真昼の決闘 (1972年)鑑賞
第4弾
共通点が、
・お馴染みの音楽
・主人公の名前がクリス
・ボスが7人集めて悪と戦う
ただ第1作と比べると、登場人物が無名すぎて・・・
#リー・ヴァン・クリーフ 以外は知らない
荒野の七人という名前だけで客を呼ぼうとしたのかな?
なぜにクリスがリー・ヴァン・クリーフに??イメージが全く変わってしまった。妻もいて落ち着き払ってるし、強盗した18歳の少年シェリーに厳しい罰を与えようとしているオープニング。そこへ作家のノア(カラン)がやってきて、クリスの武勇伝を書きたいと申し出てきた。そこへかつて仲間だったジム・マッケイ(ラルフ・ウェイト)が来て、国境近辺を守るため手を借りたいと言う。彼もまた保安官になっていたのだ。しかし、クリスはあっけなく断り、妻の頼みであるシェリーの解放を優先してしまった。しかし、シェリーはクリスを撃ち、彼の妻を連れ去ってしまう。そして妻は暴行の末、惨殺、野ざらしにされていた。
彼ら犯罪者を追ったクリスとノア。途中でシェリーの仲間を見つけ裁判も受けさせずにその場で殺してしまう(おいおい)。メキシコへ向かったという情報を得て、シェリーを追う2人は途中でならず者デ・トーロに立ち向かうジムと遭遇。そこで仲間になるのかと思ったら、死にに行くだけだぞと忠告しただけで、さらに追う。馬の蹄跡を見ただけで、シェリーがデ・トーロの仲間になり、ジムたちを皆殺しにしたと悟った・・・え、それだけで?
その先で残された女だけの町に到着。デ・トーロの軍勢に犯され、後で彼女たちをさらいに来るとクリスは悟った。こうなったら仲間を集めてこの町を砦にするしかないと決意したのだ。そしてトゥーソン刑務所に送り込んだ罪人5人に特赦状をちらつかせ、加勢するよう頼むのだ。
最初に留守となったデ・トーロの屋敷を襲い、彼の女を誘拐する。そして町に戻り、綿密な戦略を立てる。鉄条網、塹壕、爆薬、などなど・・・
かなりカルトな作品。無法者には無法者。しかもクリスはずるい作戦ばかりで案外無慈悲だったりする。他に変わったところといえば、仲間たちに女を選ばせ、パートナーとさせたところ。しかも夜の相手ではなく、弾込めなどの雑用をさせるためだ。最後にはクリス、ノア、囚人だった早撃ちスキナーだけが生き残った。女だらけの町になったんだから、3人はそこに留まり、クリスは保安官、スキナーが3人の妻を持ち保安官助手になったというオチ。
囚人が村の女を守るために駆り出されて、男はみんな殺されていたため、村の好きな女を選べる場面が最高に夢のようでうらやましかった。結局みんな死んでしまうのだが、死ぬとしても最高の場面で、死に方としても最高だった。
この映画はどうやって7人の仲間を集めるのかがポイントのシリーズなのだが、集まった男が全員主人公に恨みを持って殺したがっているというのが実に面白いポイントだった。
40人の敵をどのように撃退するのか、なんとなく数をかぞえながら見ていたら、大体きちんと計算どおりに敵の人数が減っていた。主人公チームの戦略性の高さは素晴らしいのだが、いくら多勢に無勢とはいえ、敵は無策でちょっと気の毒に思える程った。
前半と後半で物語が分かれる。敵役も途中で変わってしまうし、村を守る七人はだいたいが途中加入の囚人だし、そのために敵味方ともにどのような人物なのかを把握し辛い。特に後半の敵役については情報が少なくて、ただ村を襲う悪い奴くらいのことしかわからないのは物語として弱いし、本来この作品に必要な七人をはじめとして登場人物の存在感がやや薄い。登場人物は主人公クリスと記者のノア以外の途中加入組ではせいぜい爆薬使いのエリオットくらいしか印象に残らないし、悪役では本命の敵で山賊のデ・トロではなくむしろ一番最初の罪を許されるシェリーが印象に残るだけ。村の女と囚人の隊を作ったり敵の進入路に狙撃点を作ったり銃だけでなく爆薬をしかけたりといった、敵を待ち伏せる作戦をしっかり描いたのは悪くなかった。