「君知るや南の国」のジャック・カミングスが1954年に製作したシネマスコープ色彩ミュージカル。ピュリッツァ賞作家スティーブン・ヴィンセント・ベネットの原作を「ローズ・マリイ(1936)」のコンビ、アルバート・ハケットとフランセス・グッドリッチに「水着の女王」のドロシー・キングスリーが加って脚色、「踊る大紐育」のスタンリー・ドーネンが監督した。アンスコカラーの撮影監督は「第8ジェット戦闘機隊」のジョージ・フォルシー、音楽監督はアドルフ・ドイッチュである。出演者は、「ローズ・マリー(1954)」のハワード・キール、「スイングの少女」のジェーン・パウエル、ジェフ・リチャーズ、ジュリー・ニューメイヤー、ラス・タンブリン、ナンシー・キルガス、トミー・ロール、ヴァージニア・ギブソンなど。
掠奪された七人の花嫁評論(2)
素晴らしい楽曲、それ以上に素晴らしいのがダンス
ウェストサイド物語を予感させる踊りがみれる
有名な納屋作りのシーンの歌とダンスは特に見応えがある、とんでもない技と芸の域だ
ミリーが兄弟の家に着いて、あまりの汚れぶりに呆れて奮闘するシーンは、ジブリアニメの天空の城ラピュタでオマージュされている
アニメにでてくる兄弟はビジュアルまで似せている
見処は ポンティピー弟6+娘6+町独身男6(+兄嫁)の
恋のさやあても表現した群舞、男達のボードの上の競争、そして乱闘へと続く流れ
集団の迫力と男性ダンサーの身体能力を見せつけるアクロバティックなダンス
歌は正統派のキールとパウエルが美声を披露するが
弟達の歌う〈寂しいスカンク〉も切なく可笑しい
意外と可愛らしい弟達
彼等を長い間面倒見てきて 合理的人間になりすぎた兄は嫁を悲しませる
群舞と男性ダンサーの魅力を知らしめた振付師の仕事に理解を示したドーネン監督もブロードウェイのコーラスから振付師、監督へと進んだ
1998年のアカデミー名誉賞受賞時には 歌とタップダンスを披露してくれている
(チャーミング!)
この作品には不満もあったらしい
プロの目は厳しい