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ハイ・シーズン プロット イギリス 06月19日 1989 台灣上映
ダック・シーズン プロット メキシコ 05月13日 2006 台灣上映
新章パリ・オペラ座 特別なシーズンの始まり プロット フランス 08月19日 2022 台灣上映
キルトに綴る愛 プロット アメリカ 01月01日 1900 台灣上映
絵文字の国のジーン プロット アメリカ 02月17日 2018 台灣上映
のさりの島 プロット 日本 05月29日 2021 台灣上映
綴り字のシーズン評論(4)
また、最後に家族を再生させるためにわざとスペルを間違える展開もなんだか納得がいかなかった。
ただ、鉛筆で書いた字に寄っていくと小さな粒子が文字の集まりだったり、ブラウスの草花柄が立ち上がって発芽するといった描写はすごく素敵で癒された。それがストーリーへの不満を補って余りある。
「家族の再生」以外にも、宗教観などのやや難しいテーマが内包されてるような気もしたので、深読みすればより面白いかも。お母さんの過去とか結局、あまり明確にはされないけど、想像の余地があっていいのではと。
イライザ役のフローラ・クロスは、パッと見でお母さん役のジュリエット・ビノシュ似。当初この役にはダコタ・ファニングの名も挙がっていただけど、フローラ・クロスがジュリエット・ビノシュに似ているから選ばれたんだとか。でも、顔だけじゃなくて演技も○。お兄さん役のマックス・ミンゲラがアンソニー・ミンゲラの息子で、脚本家のナオミ・フォナーは、マギー&ジェイク・ギレンホール姉弟の母という映画です。はい。
予告編に使われていた音楽がとてもよかったんだけど、本編にはないのか…。
この映画のテーマは、「壊れたものを元に戻す」です。
イライザのスペルコンテストの才能が出てきたことで、彼女の家族は崩壊したかのように見えます。彼女は家族を元に戻すことをしたかった。
彼女の母親もまた、両親の死を、壊れたガラスの破片を集めることで、元に戻そうとしていました。
万華鏡がキーワードで、万華鏡の世界では、分断され壊れた破片の集まりのように見えますが、万華鏡を外すとまた1つの世界に戻ります。それと同じように、破片を集めれば、世界をもとにできると思ったのでしょう。
スペルコンテストの前日、カメラを気にして、優勝しなくてはと意気込んでいたイライザがなぜ当日優勝を放棄したのか。
それはおそらく、彼女の父親が言っていたシェファの領域に彼女が幼ないながらも到達したからです。
そこは言葉や綴りを超えた世界です。
世界と一つになるいわば、悟りの世界。
それによって彼女は、壊れた家族は元に戻せると確信し、スペルコンテストはもはや意味がなくなったのです。
しかし、表面的な優勝に気を取られていた父親は、なぜ彼女が優勝を手放したのか理解できない。
しかし、母親は、壊れたものを修復しようとしている彼女の気持ちに気づいています。
展開が遅いように見えますが、
全てのセリフに意味があり、
神をもとめ、神と一体化する方法を言葉を使って表現している。
そして、「壊れたものを元に戻す」テーマがシナリオの中に染み込ませており、無駄なシーンは一つもなく素晴らしい内容だと思います。