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アラビアのロレンス 完全版評論(20)
現代の感覚だと冗長と思われるカットが多くて、十分睡眠を取っていたにもかかわわらずしばしば寝てしまったが、現代では不可能と思われるスペクタクル(見世物)の連続には圧倒。どうやって撮影したのかな。映画館で見ることができて良かった。
第二次大戦前の英国と中東の関係については全然知らなかったので勉強になった。
彼の奮闘、苦悩を壮大なアラビアの砂漠を背景にして描く。
序曲overtureでいきなり心を掴まれた。これから始まる壮大な世界へ雄大な砂漠へ一気に引き込んでくれたって
そして、なんと言ってもアラビアの砂漠の描写が良い👍
あたり一面砂漠、水もなかなか手に入らない、過酷な環境なのだが、空の青、夕日と相まって美しくも感じる。
また、ラクダで移動するロレンスを遠くから撮影し、画面に小さく時には点のように移すことで、アラビア砂漠の広大さ🏜というものが非常に強調されていると感じた。
アラブ人のためを思いとった行動、この砂漠こそ自分の居場所と思っていたのに、救われないラストには自分も打ちひしがれた気持ちになった。
4Kレストアの成果も素晴らしい。うまいもんはうまい!
超有名作品でありながら「長い」のと「昔の映画」と理由で敬遠していた本作。いやー、正直面白かったです。
観る前は「どうせ白人が作るイギリス万歳作品じゃないの?悪名高き三枚舌外交で中東をメチャクチャにしたくせに「イギリス人は世界一ィィィ!」とか言ってるんじゃないの?ま、でも有名作だし映画ファンの教養として一応観ておくか。」という風に何故かメチャメチャ斜めに構えていたのですが、内容は全然そんな事はなくロレンスさんの人物にフォーカスした作品で、むしろイギリスの悪どさが示唆される作りでした。いやいや、映画って観てみないと分かんないもんですね!
ロレンスを単なる英雄として描いていない所が良かったですね。もっとガッチリした英雄譚かと思いきや全然真逆で一人の弱い人間でした。色々上手く進んで自分自身を「俺は人間以上の存在なんや」と勘違いするトコも、拷問受けたらあっさり「弱い人間やった。安全な生活が一番や~」と考えを変えるトコも、その後はガッチリ金でボディーガードを雇っちゃう所も、ダマスカスでの失意も、英雄とかではなく弱い人間として描かれている作りに好感が持てました。ってかロレンスさん全編を通してけっこう不幸。
戦争の時代を描いている作品の割には戦争のシーンって割りとあっさりしているんですよね。あくまでもロレンスさんの人物に迫るのが物語の焦点になっています。50年以上前の作品ですし迫力って観点だったら今の作品にかなうはずもないのですが、人間を描いている作品だから今観ても面白かったんだと思います。
あ、ファイサル王子は後にオビワン-ケノービを演じて有名になるアレック・ギネスだったんですね。全然わからなかった!