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座頭市 THE LAST評論(19)
杖のつき方、歩き方NG。
白目なし。敵に対するとき白目をむかなければいけない。
市と仲代親分の対決。市が仕込の鞘を捨てる。
居合が鞘を捨てたら居合じゃない。
小次郎の場合は対決に勝っておさめる鞘を捨てたから、
武蔵に「小次郎敗れたり」と言われたが、市の場合は
相手を切るための鞘だから捨ててはいけない。
というわけで、THE LASTは市が主役ではなく脇が主役。
狂気を秘めた凶暴な親分(仲代)
「言うこと聞いてたじゃねぇか」と言って斬られる弱っちぃ親分(岩城)
妻を横取りされて泣き寝入りする代貸(寺島)
「百姓と漁師しか診ねぇ」と言って市の傷をツリ針で縫う老人(原田)
などなど、おいしい役所満載。
監督が出演者、スタッフに5分間の沈黙を要求して、香取と倍賞の手を
重ね集中して撮ったという、雪を背景にした二人のシルエットシーンは泣ける。
暴力には暴力、殺しには殺し。「こんなことだから終わらないじゃないか」
暴力と殺しの終わりなき連鎖。
これ以上ないってくらいの豪華キャストの、それぞれの見せ場がちゃんと入っていて、無駄なくきちんと使いきっている。
これだけの豪華キャストを全部使いきって、不自然さがまったくないようにまとめるのは、そうとうの力量がいると思う。
映像や演出も、こりすぎていてちょっとわかりにくい感じはあるけど、すごく工夫されていて楽しかった。
ストーリーはダークで、すくいようがない感じだけど、自分の性格が暗いせいか、登場人物が全員善人みたいな、泣かせストーリーよりおもしろいような気がする。
音楽も、テーマ曲がすごくいい曲だったし、その他も曲もいい。三味線の音がすごく効果的でした。
最後がちょっとなげやりな感じで残念だったけど、あとはすごくよかった。
阪本順治監督は、「新・仁義なき戦い」も監督していて、すごく実力のある人だと思う。
「新・仁義なき戦い」もおもしろかった。
他は2・3本しか見てないけど、過去の名作シリーズをリメイクでなく、キャラや設定を変えて作るのが好きな人なのかな?
当然その作品は、そのシリーズのファンの人からバッシングされるんだろうけど、負けないでどんどん作っていただきたいです。
「座頭市ザ・ラスト2」とか「帰ってきた座頭市ザ・ラスト」とか「最後の座頭市ザ・ラスト」的な、ラストじゃないじゃん、みたいな感じでもいいから、続編作っていただきたいです。
映像化権を持っていた製作会社「セディックインターナショナル」の代表である中澤敏明が、映像化権を原作者である子母澤寛の遺族に返上するのでこれが最後になる!ってこと。
確かにクライマックスの妙な編集は気になった。
説明を省いた作りはいいと思う。
いろんなアングルで撮るの面白い。
夜は暗く昼は明るい。雪景色多数
石原さとみが早々に退場したので吃驚
工藤夕貴もあんまり出番なかった
反町隆史の百姓はイマイチ
この時期はARATAでクレジットされてる。
Zeebraがどうでもええ役で出てる。
ずっと走ってるだけのどうでもエエやつにやられて海のそばで死ぬのいい。
倍賞千恵子の台詞がテーマか。
エンタメにせず広大なセットと音楽でがっつり時代劇としてみせてくれた。
庄内映画村
山形県鶴岡市、遊佐町升川集落、出羽三山神社、
その願いかなわず勝さんは亡くなられた訳で、勝さん亡き後「座頭市」を撮ろうなんて人はよほど覚悟を持ってメガホンを取るはずなんだが・・・
果たして監督はこの勝さんの言葉を聞いたことあるだろうか、っていうかそもそも座頭市観たことあるんだろうか。
香取慎吾は役者ではなくただのバラエティーアイドルなので、そもそもキャスティングから間違ってる。良識があるならはじめから断っていたとは思うが、案の定最悪のできばえ。
豪華キャストならなんとかなるとでも思っているのか。
こんな連中に「ラスト」なんて勝手に幕引きされても、往年のファンは黙っていない。
映画とは、大衆娯楽でなければならない。痛快なアクションもなければ気の利いたお笑い要素もない。座頭市の名を冠する資格ゼロ。よくもまぁ恥ずかしくなくてあんな脚本、演出で映画を作ったもんだ。
だれか、この映画は無かったことにしてまた痛快娯楽時代劇「座頭市」を復活させてくれ。