「あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。」「心が叫びたがってるんだ。」などで知られる脚本家の岡田麿里が初監督を務めたオリジナルの長編アニメーション映画。10代半ばで外見の成長が止まり、数百年生き続けることから「別れの一族」と呼ばれるイオルフの民の少女マキアと、歳月を重ねて大人へと成長していく孤独な少年エリアルの絆の物語が描かれる。人里離れた土地で、ヒビオルと呼ばれる布を織りながら静かに暮らすイオルフの民の少女マキア。ある日、イオルフの長寿の血を求め、レナトと呼ばれる獣にまたがるメザーテ軍が攻め込んできたことから、マキアとイオルフの民の平穏な日々は崩壊する。親友や思いを寄せていた少年、そして帰る場所を失ったマキアは森をさまよい、そこで親を亡くしたばかりの孤児の赤ん坊を見つける。やがて時は流れ、赤ん坊だったエリアルは少年へと成長していくが、マキアは少女の姿のままで……。
さよならの朝に約束の花をかざろう評論(20)
物語の設定は面白かったが、映画の尺によって描かれていない部分が多くもったいないと感じた。
物語の設定がややこしいのにプラスアルファ登場人物も多いためTVアニメとしてがっつり時間を使ってじっくり各キャラクターの心情を描いていたらもっと素晴らしい作品になっていたと思う。
視聴者の想像力に任せ過ぎている部分もあったかなと、、、
冒頭で長寿の一族の織るヒビオルという布について触れられており、「縦糸は流れゆく月日、横糸は人の生業」と述べられていた。
映画をみている最中ずっと考えていたが、ヒビオルは「人の生きた証」みたいなものを意味しているのではないかと思った。
親から子への愛は伝わるし、それは受け継がれていくものだと思う。
私が親になるのはまだまだ先のことかもしれないがもし我が子ができたらいっぱい愛情を注いであげたい。
内容の評価としては途中の感情の変化も共感できるし、それぞれのキャラクターの心情が読み取りやすいです。
何よりアニメーションが綺麗だったのがすごく印象的。
アニメ関連の映画は国民的に有名なタイトルのもの以外はあまり観ないけど、これは私の中でも特に記憶に残った作品だなと思います。
最初、設定に戸惑いました(見に来たのが失敗だったかた思う程でした)が、この作品のテーマが見えてくると、だんだん興味をもって見れるように…。
惜しいなと思ったのは、この作品の中では、登場人物(主役にしろ脇役にしろ)が何を成し遂げたいかを感じられなかった事です。あったのかも知れませんが、少なくとも僕には読み取れなかった。敢えて控えめに表現していたのかも知れませんが…。
それを感じれたなら、僕の中の★の数がグンと上がった事でしょう。テーマは良かったので。
歳を重ねて、その意味がわかってきたら、
もう1度みたいと思う映画。
人間とペット(愛玩動物)との関係を、
イオルフの民(寿命400年以上)と人間との関係に置換したと思われる作品。
置換関係、
人間(寿命80年)→イオルフの民(寿命400年以上)
犬(寿命12年)→人間(寿命80年)
世界観は漫画「風の谷のナウシカ」と似ている。
設定が解って来て、
「さよならの朝に約束の花をかざろう」のタイトルを確認すれば、
“マキアが寿命を迎えたエリアル(老人になったエリアル)の最期を看取る”
…という結末は予想できました。
映画の中心に、
イオルフの民たち(レジスタンス)によるレイリア救出作戦。
といった劇が組まれているんですが、そこは、
「違う(この劇を中心に据えるべきではない)」
と思いました(スペクタクル・シーン(見せ場)が欲しかったんでしょうが・・・・・・・)。
もっと、
エリアルが、マキアと共に、子供から少年~青年~大人になる過程を丹念に描(えが)いたほうがよりラストの感動に繋がったんじゃないかな~。