ブルーサーマル

7.6/10
共27評論
類型   プロット
時長   103分
語言   日本語
地區   日本
編劇   橘正紀
台灣上映   03月04日 2022
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ブルーサーマル劇情

小沢かなの青春漫画「ブルーサーマル
青凪大学体育会航空部」を原作に、上昇気流(サーマル)を捉えることで飛翔する航空機・グライダーでスピードを競う大学航空部の部員たちの奮闘を描いたアニメーション映画。キラキラしたキャンパスライフへの期待を胸に青凪大学に入学した都留たまきは、あるきっかけからグライダーを傷つけてしまい、弁償するため体育会系航空部に雑用係として入部することに。仕方なく練習に参加するたまきだったが、主将・倉持が操縦するグライダーで初めて飛び立った瞬間、一面に広がる空の美しさにすっかり魅了されてしまう。指導係の先輩・空知や仲間たちと過ごすかけがえのない時間を通し、たまきは次第に自分の本当の居場所を見いだしていく。女優の堀田真由が主人公たまき役で声優に初挑戦。「ルパン三世
カリオストロの城」などで知られる老舗アニメーションスタジオのテレコム・アニメーションフィルムがアニメーション制作を手がけ、「プリンセス・プリンシパル」シリーズの橘正紀が監督を務めた。

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ブルーサーマル演員

ブルーサーマル劇照

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ブルーサーマル評論(3)

iuziiw
iuziiw
正直パッと見ではキャラクターデザイン等が魅力的には見えず、そこまで興味はひかれなかったのですが、聞きなれないタイトルや予告編のキャッチ―な曲が気になり見てみました。
そして、意外にも内容は良く、紹介すべき作品だと感じました。
まず、キャラクターデザイン等は、そもそも原作マンガがあるため、ある程度は仕方ない面もあるようです。
そして、何と言っても題材が斬新で面白かったです。
これまで私は、大学生が空を飛ぶというと、「鳥人間コンテスト」くらいしか知識がなかったのですが、実は大学には「航空部」なる「航空機・グライダーでパイロットとして空を飛ぶ」体育会系のサークルが多く存在するのですね。割と本格的な機体で空を飛んでいるので安全性は大丈夫なのか、と心配もしましたが、キチンと厳しく安全第一で気を付けているようです。
そんな未知の世界を舞台に繰り広げられる物語ですが、普通に恋愛をする大学生活を憧れていた主人公の女子大生「都留たまき」が、思いがけない出来事でこのサークルに入ることになり、まさに私のように何も知らない目線で話が進んでくれるので見やすいのです。
そもそも航空機・グライダーでスピードを競うのですが、その際に「上昇気流(サーマル)」をつかまえることで飛びます。
そんな中、まれに「雲などを伴わない、目に見えない上昇気流(サーマル)」が存在し、それを「ブルーサーマル」と呼ぶようです。
主人公「都留たまき」を女優の堀田真由が声優初挑戦しているのですが、これがなかなか上手かったです。そして、冒頭の母とのシーンからドタバタな感じなど、コミカルな面もあり楽しめます。
見て損はない作品だと思います。
Kigxnmsopsh
Kigxnmsopsh
公開前の特別試写会にて。生の堀田真由さんを真っ正面から拝める至福…!SHE'Sの演奏も聴けて最高…。そこまでかな。テンション高かったのは…。汗

正直なところ、こんなに急がなくても…っていうのが感想。絶対1クールのアニメだったらもっと面白かったのに…と思ってしまった。出会いから成長、個々のパートに至るまで、もっと観たいな…って所が端折られている。だから全体的に忙しない。余韻に浸りたい所も浸れなくて勿体ない。しかも、原作は5巻も出ているので、ますます思う。山となる部分が多かっただけに、もどかしかった。

しかしながら、脚本以外は結構自分の好みに近く、ポップとシャープな画風が観ていて楽しい。主人公のたまきも、強気だけど憎めないキャラクターが体現されていて可愛い。他にも脇役が濃いのでますます1クールで観たくなる。実際にプロデューサーが惚れ込むのも納得で、アニメするとより作品が際立ってくるのが分かる。空の青さ、浮遊する感覚…ワクワクする感情を誘ってくれる。

そんな主人公の声は堀田真由さん。オーディションで選ばれたというその声はピッタリ。本人も言っていたのだが、実写だったらもっとクールな役を演じることが多いので、こういうキャラを演じられるのはそれで楽しかったそう。「こんな演技も出来るんだ…」とほれぼれ…。納得であり、圧巻。これも凄くハマっていた。

原作も凄く面白そうで、素材は十二分に揃っている。だからこそ作品の持つテンポがいかに大事か教えてくれる。脚本の乱気流が気になってしまう。実に作り込みはいいので、オススメはしたい作品。
Shgnopsikxm
Shgnopsikxm
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内容が大学生たちの群像劇×航空部といういかにも爽やかなキャラデザと背景に惹かれましたが、脚本家に様々ななアニメをぶち壊してきた方(良い作品もあるんですが、それすらも霞んでしまうほどの前科持ちなので)なので不安大きめでの鑑賞。

率直な感想と致しまして悪い予感的中といった感じです。ただ、良いところもあったので一概に否定することはできない作品です。

まず褒められる所について。空の描写はなかなか素敵だったと思います。サーマル=上昇気流の表現の仕方は良かったですし、雲の壮大な感じ、青に染まった空の美しさは◎です。

続いて声優陣、本職の方々はもちろんのこと、堀田真由さんがとてもお上手でした。とてもスムーズにセリフが入ってきてノイズが一切混じることなく最後まで鑑賞できました。今後、声優としての仕事も増えていくんだろうなと思うとワクワクします。

しかし悪い点がいかんせん目立っているように思えました。大きい点と致しましては登場人物がやたら多く、そのためかキャラクターをうまく扱えていないと思った次第です。脚本家の方が過去務めたソシャゲ原作のアニメでもあった通り、登場人物が多い割にはその人物の過去や葛藤の伏線は貼るのに回収の仕方は雑だったり、そもそも回収しなかったり、とです。今作も主人公"鶴たまき"と航空部に誘った先輩"倉持潤"と、グライダーを間接的に壊してしまった先輩"空知大介"が大きく目立っており、あとはほぼモブ扱いです。1番ひどいと思ったのはたまきと仲のいい女子たちです。記憶上ですが、登場頻度はかなり高いのに上映中名前を呼ばれていなかったと思います。エンドロールであーそんな名前なんだと思った次第です。あと望田先輩という方も登場するのですが、倉持と望田というなぜ少しこんがらがる苗字の人物を同じ場面に配置したのかがよく分かりませんでした。もっと当たり障りのない苗字でもいいのにな、と。ほんと些細な点なんですけどね。

次に気になったのは主人公補正がすぎるという点です。これは原作にも通じることなので一概に映画の問題とはいえないのですが、主人公が圧倒的天才肌でとんとん拍子に大会の選手に選出されてしまうという展開が何の気無しに行われます。天才肌なのは良いのですが、そこに至るまでのきっかけがあまりにも薄いんです。原作だとバレーボールに熱中しており、大学に入学するために一浪するまでの苦労を要した人物として描かれるのですが、映画ではバッサリカットなので不自然極まりないです。上昇気流を掴むのがうまいと言われても、観ている側にはなんか上がったな程度だったのも残念です。というか他の先輩たちは何でそんなに弱いんだ?問題も少しばかり顔を出してきます。

次にギスギスがすぎるという点です。特にたまきと姉、というか姉がひたすら突っかかってきてそのたびに思わせぶりな悪口を吐いていくので疲れます。終盤、自分が妹のように母に甘えられず、父親の元で完璧な娘を演じないといけないという葛藤でいもうとを毛嫌いしていたというのが明かされますが、それにしても暴言を吐きすぎで不快にも感じてしまいました。ライバルキャラも突っかかってきますし、何なら序盤は空知がグイグイ対立してきていたので、悪い空気はどの場面にも存在していたと思いますが思います。

最後に、終盤の超展開です。ここがこの作品の評価を落としているところかなと思った箇所です。朝比奈という倉持に出資をしてくれていた人物(まずこの人がなぜ怪我を負っているのか、なぜ一個人に投資しているのかは作中ずっと有耶無耶な描かれ方でした)の出た電話から倉持がドイツでの飛行中に墜落したという電話を航空部全員が知り、たまきは特に動揺してしまうという展開に行き着きます。たまきがフライトで逆転優勝を果たした瞬間に、ドイツに連れてってというお前はそもそも海外でフライトできる免許を持っているのか?という疑問に駆られながらも止まらない展開に身を委ねるしか無く、そのままドイツに場面が移って、飛行してルートから外れて倉持を探しに行き、墜落覚悟でフライトするという雑すぎる展開に突入します。ここまででも打ち切り漫画のような雰囲気を漂わせていますが、その飛行を墜落したはずなのになぜか地上で見上げていた倉持がどんだけ現場に近かったのか分からないですが速攻で駆けつけて飛行を中断するように言ってそれに素直に従うという雑に雑を畳み掛けるようでした。もう説明というか背景が何も描かれないので説明不足にも程がありますし、放った設定も回収しないので困惑しか残らないです。倉持に好意を抱いているわけでもないのに、他国までいって助けたいと思うほどの関係性も描かれていませんし、それだったら空知が妙にどきどきするとかの描写もいらんかったなぁと思ってしまいました。

というのが祟り、後半はあまり乗り気になれなかった作品です。文句こそ多くなってしまいましたが、作中の空の美しさ、声優陣、主題歌はとても良かったと思います。こういう作品に当てる脚本家はもっと慎重に選んで欲しいなと思いました。というかこの人に脚本を頼んだんだろう…。そこが1番気になった、そんな映画です。

鑑賞日 2/24(試写会にて)
鑑賞時間 18:30〜20:20
座席 K-15

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