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a-ha THE MOVIE評論(5)
ミュージシャン、特にバンドのドキュメンタリーといえばメンバー間の友情と確執が焦点になりがちだが、本作もその影はちらつく。3人が揃ってインタビューを受けていないのは、個人個人の本音を聞き出すためという監督の意図からだが、やはり一度解散を経験しているだけあって、過去の葛藤や軋轢を冷静に振り返っている。ポップアイドルの顔として取り上げられる居心地の悪さなど、人気が出過ぎた故の弊害を吐露するあたりは“ミュージシャンあるある”だろう。
メンバー同士で衝突するからこそいい曲が生まれる、葛藤を抱えるからこそいい詞が書けるというのは、『ザ・ビートルズ:Get Back』でも証明されている。「a-haが続いているのは友情ではなく絆」というモートンの言葉もまた、“バンドあるある”なのかもしれない。
当然ながら彼らの楽曲が劇伴として使われているが、今でもa-haを聴く者としては、観ながらついつい口ずさんだり(声は出してないけど)、リズムに合わせて無意識に体が動きそうになってしまった。『Take on me』のPVを意識した演出も良い。
余談だが、劇場にはリアルタイムでa-haを追っかけていたと思しき女性客がチラホラいたのも特徴的。
映画 a-ha THE MOVIE (2021年)鑑賞
『テイク・オン・ミー』が世界的大ヒットとなったノルウェーのバンドのドキュメンタリー
申し訳ないけど一発屋かと思ってたら、007のテーマソングやベルリン世界陸上のテーマソングなどヒット曲たくさん
#Filmarks さん試写会ありがとうございます
それは、"a-ha"というバンドにも言えることで、1982年に結成され、"テイク・オン・ミー"の後、紆余曲折を経つつ、60歳を迎えた今でも、独特の透明感のあるサウンドを武器に活動を続ける彼らも劣化を免れていることが驚きだ。本ドキュメントはそんな"a-ha"が歩んだ40年を残されたアーカイブ映像と本人たちのコメントで綴る、MTV世代には懐かしく、若い世代にはヒット曲の歴史が学べる貴重な体験になるに違いない。
特に。ヴォーカルを務めるモートン・ハルケット(62歳)の未だ衰えぬファルセットの響きには、時間を超越した美しさと力強さがあって、もう一度"a-ha"を聴き直してみたくなるのだ。
ただのアイドルでも一発屋でもないのは再認識してほしいな
しかし、想像以上に音楽性が高く、ライブの20万人動員には驚くしかない。
あまり音楽に詳しくないため、ノルウェーのバンドが、アメリカやヨーロッパで、そこまで売れていたとは、想像をはるかに超えている。
本人たちは、もっと音楽性で勝負したかったのだと思うが、かなりポップなビジュアルを求められ、不本意な部分もあったのかもしれない。
ドキュメンタリーとしても、見ごたえがあり、おすすめの作品だ。
ぜひ、劇場でご覧いただきたい。