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アンナ・カリーナ 君はおぼえているかい評論(4)
短いながらもなかなか観応えのあるドキュメンタリーでした。
アンナ・カリーナの夫が撮った作品であり、アンナへの愛が溢れていました。特に後半は完全にラブレター的な展開になるので、観ていて心がほっこりしました。やはり愛は素晴らしい。
デンマークで10 代のシングルマザーの元に生まれたアンナは、祖父母に愛されながら育つも、4歳で祖母と死別したため、ハードな幼年時代を送ることになります。養育能力のない母親のもとに戻ったアンナは劇場で映画を友として過ごしました。アンナの女優に対する強い思いはこの時に生まれたようです。ミュージカルも愛しており、元々アンナはモデル上がりのルックスだけの女優ではなかったことが伝わりました。
17 歳で家出して、パリでモデルとして生活するアンナ。そこでゴダールと出会い、恋に落ちます。ゴダールのアンナへの想いがめちゃくちゃストレートで感動しました。アンナと別れたくないが故に、彼女が初主演した『小さな兵隊』の撮影をなかなかクランクアップできなかったというエピソードはキュートです。ゴダールめ、可愛いヤツだ。
そしてクランクアップでゴダールはアンナにコクります。ちゃんとコクって付き合うのも好感度高いですね〜!
映画女優としてだと、どうしてもゴダール時代が中心となりますが、アンナの俳優・表現活動はその後も続きます。というか、むしろその後は彼女のペースで仕事ができたような印象を受けます。60年代のアンナは超絶キュートなのですが、70年代に監督をしていた頃のアンナはホントにいい顔してました。アイコンとしての美しさではなく、人としての充実感が顔に出ている印象です。
歳を取っても歌手活動でツアーしたり(来日公演も撮影されていた)、ベル井の舞台に立って評価されたりと、充実した人生を送ったんだなぁという感想です。
俺はあくまでゴダール映画でアンナの魅力にハマったのですが、1人の人間としての魅力が、本作から伝わりました。その意味でも観た甲斐はありましたね。ますますアンナが好きになりましたよ!
とはいえ、アイドルとしてのアンナも好きなので、彼女が渾身の歌声を聞かせるミュージカル映画『ANNA』はなんとしても観ないと!
2020-128
彼女との出会いはゴダールの『女と男のいる舗道』だった。アンナに、ゴダールに、そしてヌーヴェルヴァーグに夢中になった。あれから40年が経ったのですね。
知らないエピソードや貴重な映像が一杯あった。映画を観続けてきた我々にとってはまさにご褒美のような作品。宝物になった。
そのレターをアンナが観ると同時に、彼女を観て応援してきた映画ファンへの謝辞も含まれている。
ただこの監督、アンナと結婚する前は『勝手にしやがれ』のジーン・セバーグの夫だったので(彼女とは死別)、どれだけヌーベルバーグの影響を受けてきたんだとツッコミたくもなるが。
もっとも、本作完成後に惜しくもアンナが亡くなってしまったことを鑑みると、結果として残すべき作品となったのは間違いない。