「ちはやふる」の新田真剣佑と、バンド「DISH//」でミュージシャンとしても活躍する「君の膵臓をたべたい」の北村匠海のダブル主演による、オリジナルの音楽青春映画。バンド「ECHOLL」がメジャーデビューを目前に解散してから1年後、メンバーたちの前に突然見知らぬ大学生の颯太が現れた。バンド再結成をメンバーに迫る颯太の中身は、なんと1年前に死んだボーカルのアキだった。颯太が偶然拾ったカセットテープを再生する30分だけ、アキは颯太の体を借りて入れ替わり、1つの体を共有していく。人づきあいが苦手な颯太もアキや仲間たちと音楽を奏でる楽しさを知り、次第に打ち解けていくがアキの恋人カナだけはバンドに戻ってくることはなかった。カナに再び音楽を始めてもらうため、最高の1曲を作り上げようとするが、アキと颯太の入れ替われる時間はだんだん短くなっていく。アキ役を新田、颯太役を北村がそれぞれ演じる。監督は「東京喰種
トーキョーグール」の萩原健太郎。
サヨナラまでの30分評論(20)
ようやく観れました。よかった、劇場で観れて。オチは弱いような気がしたが、中身は十二分だった。
最初にアキと颯太が入れ替わる瞬間を見たときに震えた。本当に北村君にまっけんが憑依したのかと思った。北村君は相当まっけんのことを研究したのだと思う。入れ替わって歌を歌ってる時は、北村君の声に少しだけまっけんの声が混ざっているような気がした。
にしても、出てる役者さんが皆さん歌がお上手で。ちょっとしか歌ってない葉村君だけど凄く上手だった。北村君は本業?みたいなところがあるのでもちろんのところなのだが、まっけんの声が甘すぎて大変でした。というかまっけんは全てにおいて美しすぎて目が痛かったです。
北村君の演技を観ててなんだか既視感があるなぁと思ったら、颯太のキャラといい、立場的にも「君の膵臓をたべたい(2017)」に似ていだからだなぁと後から思いました。
最初に颯太が入れ替わることなくECHOLLのみんなとピアノでセッションした時、今まで入れ替わっている時に抜け殻のような様子で立ち尽くしていた颯太とまるで入れ替わったようにアキが立ち尽くしていたのがとても印象的だった。嬉しさ、悲しみ、寂しさ、様々な感情が混ざり合っていたんだろうなと思う。そういった面で物語を観進めていると、思い出の記録であるアキが颯太によって上書き保存されていって、記録が無くなっていってるようにも見えた。それでも、カセットテープが上書き保存されたとしても何層にも重なっていくことのように、アキの意志、気持ちは颯太を始め、カナ、ECHOLLの音楽を聴いた人たちに受け継がれていくんだと思うととても感慨深いものがあった。
アキが死んでから1度も泣いた事がなかったカナが初めて泣いたのがよりによってアキの前で、そしてその場面の最後のシーンで寄っかかっていたはずの場所にアキがいないのがとても深かった。それら全てを思い出にしてアキが消えていくことを示唆しているようで。
フェスの前日、アキと颯太が言い合うシーンがワンカットで行われていたのが凄まじい緊迫感を持たせた演出が圧巻だなと思った。
個人的に1番印象に残ったのは、最後に颯太が大事な話をすると言ってアキと入れ替わった時だ。アキは多分颯太や、ECHOLLのみんなに悲しい思いをさせないように、あんなことを言ったんだろうな。最後の最後までアキはスーパースターだった。
みんな観に行こう。
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君が迷い彷徨った時も
立ち止まってしまった瞬間も
僕がその手を引いて導くよ
ずっとずっと
1人きりじゃ叶えられないって
君が僕に教えてくれたんだ
あの日思い描いてた未来へ
行こう行こう
この声をこの言葉を
この歌をずっと
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
とても素敵な音楽映画です。
北村匠海さんの静かな空気感、バンドになったときの熱さ、そのギャップを美しい街並みや景色が埋めてくれます。
新田真剣佑さんの絶対的な存在感と、北村匠海さんの絶対的な静かさの調和も絶妙。
楽曲はどれも素晴らしくて、二人の声ととても合っているし、新しい魅力も引き出されていると思います。
観た後、心がとてもスッキリ穏やかになれる映画でした。
サントラは観た日に購入しました。
映像でもずっと観ていたいので、DVDも予約済みです。
思い出す時のような、現実の再現描写とは違う絵作り。
人が大切でかけがえない過去の時を思い出す時の
温かさや、時間の流れ、風景などが柔らかく、繊細に描かれていた。と感じました。
序盤からテンポが良くて、その時点で好印象でした。
最初に入れ替わった時はセクハラ不審者のヤバい奴爆誕という感じで不安になりましたが、話が進むにつれて気持ちよくストーリーにハマっていきます。
バンドのメンバーが、アキが居なくなった事を受け入れて颯太と一緒に進んでいく様を見せつけられるのはかなり辛かっただろうに、アキの器の大きさが凄い。
最後は涙腺に直撃して、ドライアイ気味の目がうるうるしてました。
入れ替わり系の話が苦手で、「君の名は」も観ていません。
ですが、この作品は入れ替わっても「やめろ~~!!!そんな事するな~~!!!」というラインまでは恥をかかなかったので良かったです。入れ替わりアレルギーな私でもしっかり見る事ができました。
あと、やはり曲がすごくいいです。
予告で流れていた曲が気になって鑑賞しましたが、シアター内の音量で聴くとより一層好きになれます。音源は絶対に買います。
全体的に凄くよかったんですが、アキが創作者とゲーム好きが絶対に許容できない事をやっていたので、一瞬嫌いになりかけました。それだけは本当にアカンぞお前…。
内容が良かっただけに、もっと早くに観ていればと後悔がつきません。公開館がまだ残っているなら友人知人に宣伝したいですね。
爽やかで素晴らしい映画でした。☆5です。
撮影監督の今村圭佑が作るルックも良い。若手の撮影監督ではナンバーワンだろう。今度監督デビューするというので楽しみにしている。
主人公の2人は、片方は命を失い、もう片方は青春の貴重な時間を失っている。2人の欠けたものが一つの肉体で合わさり、前に進み出す。失った命はもとに戻らないけど、それでも残った人に前を向かせることができれば、彼の命はどこかにのこっているのかもしれない。素晴らしい青春映画だった。牧瀬里穂を久しぶりにスクリーンで観た気がするが、相変わらず可愛い。