自然主義文学の代表的作家・徳田秋声の同名小説を、「浮雲」の成瀬巳喜男監督、水木洋子脚色、高峰秀子主演で映画化。大正初期。子どもの頃に農家へ養子に出された庄屋の娘・お島。結婚話を嫌がって東京へ逃げ出した彼女は、神田の缶詰屋の若主人の後妻となる。しかし女出入りの激しい夫と気性の激しいお島との間には諍いが絶えず、大ゲンカの末に離婚。東北の山村の旅館で女中として働き始めた彼女は、そこの若旦那と関係を持つが、若旦那の病気の妻が帰ってきたために居場所を失ってしまう。東京へ戻ったお島は洋服職人と再婚して2人で店を開き、商売を軌道に乗せていくが……。
あらくれ(1957)評論(2)
男尊女卑そのものの時代に、言いたいことをズバッと言える強い女です。口は悪いが働き者で、男に頼るよりも、稼げぐ為に必死で、他人の前では大人しく、夫婦だけの時にネチネチ小言を言う旦那よりも勇ましい。
男運も悪いのか、夫の浮気相手の家に乗り込んで、取っ組み合いの喧嘩で、相手を負かせる所なんて、観ていてもうスッキリ、頼もしい限り!
高峰秀子さんも演じていて、気持ち良かったのでは?!
時代的に囲われて生きていく女性もいることながら、きっぷの良い芯のある主人公でした。ラストはそう来なくっちゃ!的に、◎です。