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男はつらいよ 寅次郎子守唄評論(9)
ストーリーに初期のような必然性は無く、寅さんの設定もブレている。こんなに早い段階でこんな体たらくだったとは……本作設定では40歳と年をとった寅さんは悲痛過ぎてそれを隠すためか?不自然なコントに終始。笑わせようとし過ぎて空回り。
この後持ち直した、という事、なのかしらん。
ラスト、旅の空での再会劇は情にあつくやはり堪らなくうまいのだが。
“男はつらいよ”シリーズ第14作目。
おいちゃんはこの作品から下條正巳になっている。
5年間で3人が演じたことになる。
ここから48作目まで下條正巳が演じているらしい。
マドンナは十朱幸代。
撮影時は32才。
2020年現在は78才。
前作13作目でもそうだったが、笑いの要素はほとんど無くなっている。
残念ながら脚本が平板であると感じる。
主観だがマンネリで驚きや発見や工夫がない。
この作品では育児を放棄された乳児の話と、
十朱幸代と上條恒彦との色恋沙汰がストーリーの柱である。
上映時間は104分。
満足度は5点満点で2点☆☆です。
寅さんが赤ん坊を連れて帰宅という里親展開で、その後おばちゃんが必死で面倒みているところとか、最高だった。
月亭八方は泣いている赤ん坊を怒鳴りつけるという、虐待一歩手前ぶりで、しかも哺乳瓶を口にくわえて運んでいて、今ではあり得ない。また、寅さんも8時間おむつを替えておらず、おそらくミルクも上げてないであろう。首が座っている感じだから3か月くらいだとは思うのだが、危険極まりない。おばちゃんが分かれた後泣いていて、気持ちわかる。
また、寅さんの恋敵であるのだが、上條恒彦のヒゲ眼鏡でセーターに穴が開いていて、応援したくなる感じ。好感度高かった。
3代目おいちゃんは、弱々しくて枯れた感じがよかった。寅さんの口上や長々と話す場面がたくさんあって豪華だった。