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喜劇 昨日の敵は今日も敵評論(1)
※ 鑑賞直後のメモから
渡辺プロ製作の破茶滅茶コメディー。監督は前田陽一。
これは滅茶滅茶楽しい作品でした。一見すると単なるドタバタコメディーにしか見えないのですが…実はとゆう内容。
硬派な大学の応援部の団長がなべおさみ。
対する軟派な軽音楽部の新入生が堺正章。
共に部を上げてアルバイトに向かう先が箱根小涌園。
するとそこには女子大生の空手部が。そして、平田昭彦を長とする四人組がやって来る。
町の駐在さんにはいかりや長介。
小涌園の支配人には藤村有弘。
途中までは単なるドタバタコメディーなのだが、中盤で平田昭彦が登場すると一気に展開が180度ガラッと変わる。
この四人組が実は…とゆうオチ自体はそれ程ではないが、この四人組にはおそらくモデルがいる筈なのだ!
個人的に思ったのは、そのモデルは三島由紀夫なのではないだろうか?…と、観ていて感じた。
箱根に独立国家を作る計画から、小涌園を占拠する平田昭彦の演技が素晴らしいのだが、この作品が製作されたのが1971年。
三島由紀夫が市ヶ谷の自衛隊駐屯地にて割腹自殺をしたのがは、前年の1970年なのだ!
当時の再軍備の必要性等を唱える意見に対する強烈なるアンチテーゼになっている。
それを、多彩な顔ぶれでのドタバタコメディーとして製作されているのが、考えてみたらちょっと凄い。
渡辺プロだけに、堺正章のヒット曲♬さらば恋人を始め。布施明が無理矢理に1曲バラードを歌えば、ゴールデンハーフスペシャルが♬バナナボートを歌う。
特に、ゴールデンハーフスペシャルが登場する場面のアナーキー振りには脱帽!
全くもってその馬鹿馬鹿しさにはお口あんぐり(笑)
それにしても、箱根小涌園はよく撮影を許可したものだなあ〜。
2010年7月22日 シネマヴェーラ渋谷