METライブビューイング2023-24 ダニエル・カターン《アマゾンのフロレンシア》
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ゴジラ モスラ キングギドラ 大怪獣総攻撃評論(18)
新潟県妙高、鹿児島県池田湖、山梨県本栖湖、小笠原諸島と、全国を巡る怪獣出現ポイントも楽しいし、暴走族やら犬を虐待する若者たちが最初の犠牲者になるなんてホラー映画のパターンもいい。人が死にすぎるという批判ポイントもあるが、これもホラー映画だと思えば許容範囲。特に篠原ともえや温水洋一のシーンが悲しいけどいい。笹野高志が運転手ってのもいい。爺さんの幽霊(天本英世)をはじめ、オカルトっぽいところもあり、不思議な石なんてのも平成ガメラを引きずっているのだろうか。
ちょっと拍子抜けするのは護国聖獣3匹がそれぞれ皆弱いところ。バラゴンはプロレス技で結構頑張っていたけど、キングギドラなんて呆気なく死んでしまうし、2度も生き返らせてもらってる。そして特殊潜航艇の魚雷の一発目がヤッチマッタ感満載。こんなところでギャグかませなくても・・・
平和憲法と防衛軍などとレクチャーする准将の宇崎竜童。しばらく自衛隊がゴジラ映画にそのまま表記されていたのに、敢えて防衛軍としたのは、50年前のゴジラを撃退したのは防衛軍の兵器ではなく、芹沢博士の兵器だったということをずっと隠蔽してきたからだろう。軍の不要論にも繋がるために隠蔽したおかげで、ゴジラが現れたことさえ忘れられてしまった世の中。そんな防衛軍の上部組織が防衛“省”となってたのは先見性があったということかもしれません。
使われたきのこ雲の映像といい、平和や反核のメッセージが込められた作品だと思う。ただ、音楽が酷すぎる点、主役の二人の演技がダメすぎる点が残念。また、前田愛、亜季の姉妹がそのまま小美人になるかと思ったのに、なんでもなかったところが謎。
ゴジラとは何か、怪獣とは“何か”っていう金子監督の怪獣論・ゴジラ論を映画化した作品という感じで、もちろん怪獣プロレス映画としても楽しい。
ただ、キャスティングにはちょっと疑問が残るし、ちょっとオカルトやスピリチュアルに寄せ過ぎな感じも。
それにしても、金子監督は篠原ともえに何か恨みでもあるんだろうかww
けっこう好きだった新山千春ちゃんの演技は置いといて、俳優陣の豪華さ、脚本の斬新さに参りました。
確か18年前に観たはずなのに、改めて観たら、こんなんだったっけ?あゝそう言えば!という感じ。モスラはともかく、キングギドラは宇宙から地球を破壊しに来た人類の敵だったのに、180度回転させて、倭の国の守護者という設定。これは、過去作の脚本を破壊したゴジラ級のパワー!さすがです。ちょと可哀想なのは、タイトルにも入れてもらえなかったバラゴンちゃん。いい所なかったね。
さて、ハリウッドゴジラには余り期待してはいないのですが、震撼させてもらいに行ってきます。ワクワク。
ゴジラ出現前からの動きからゴジラの戦いまでを見守ることになる重要な立ち回りをする由里役の新山千春は、役柄として特に面白くもなく演技もとりわけ良い訳でもなく物足りない。ゴジラは凶暴で強くてまずまずだが、他の怪獣はもっと頑張って欲しかった。他の怪獣との戦いの場面も悪いわけではないが、今回のゴジラは女子供だろうが知ったことじゃないとばかり容赦なく踏み潰す場面が描かれるのが良かった。怪獣が暴れれば町が破壊されるだけでなく、人命が失われるのだということを見せてくれる。
過去に観たいくつかの他のゴジラ作品と異なり、今回のゴジラは大人も対象になっているように思える。それでもまだまだ水準が高いとは言えない。怪獣たちもぬいぐるみ感が強くて映像的にも一流とは言えない。脚本も粗い。21世紀の作品としてはまだまだ不満が残った。
それほどたくさんのゴジラ映画を観たわけではないが、1つ気が付いたことがある。ゴジラは作品によって人間の敵だったり時には味方だったりする。その他の怪獣もそれは同様のようで、設定に一貫性がない。1991年の『ゴジラVSキングギドラ』では、キングギドラは未来から来た人造ペットが放射能で変化してものだったはずだが、ここでは日本古来の神獣だそうだ。
どうも映画界にはゴジラ劇団とでも言うべきものがあって、所属する怪獣が作品によって自由に配役されてその脚本の設定の役柄を演じることになっているようだ。だが作品ごとにこうも配役が変わると違和感があってどう怪獣を認識していいものやら。作品ごとに怪獣の配役を変えるのではなく、役柄ごとに専用の怪獣を登場させた方がいいように思う。