シェイクスピアの「ロミオとジュリエット」を下敷きにした大ヒットブロードウェイ・ミュージカルを、巨匠ロバート・ワイズとミュージカル版を手掛けた演出家のジェローム・ロビンスが共同で映画化。ニューヨーク・マンハッタンのスラム街を舞台にイタリア系のジェット団とプエルトリコ系のシャーク団の抗争と悲劇を描く。主演はナタリー・ウッド。61年度のアカデミー賞では作品賞、監督賞を含む10部門で受賞した。日本では1961年に初公開された後も幾度かリバイバル公開されており、2002年12月にはニュープリント・デジタルリマスターバージョンでリバイバル公開されている。
ウエスト・サイド物語評論(20)
主人公とヒロインが夢見がち過ぎ、流されやすすぎでイマイチ共感できなかった。
ただ、当時の時代背景からすれば、未来への希望、社会情勢への不安や反発・葛藤に満ちていたであろう二人の感情は決しておかしくは無い。
おかしくはないのだが、共感するには時代が違いすぎる。
共感できる人の感受性や想像力が羨ましい。
有名な楽曲も多く、本番のミュージカルは非常に楽しみになった。
最初のリバイバル上映以来、およそ50年近くたってます。 ヒェ~。
当時は入場者全員に大型のポスターが配られ、しばらく部屋に貼ってました。
なのに可哀想な二人、という程度の感想しか持てず、
感情移入できずにずーっときてしまっていました。
それが今回、見事にくつがえりましたね。
口笛が鳴り響きながら、マンハッタンの上空を映し出すシーン、
そこから一気にダンスシーンへと変わっていきます。
そのテンポの良さ、リズムの激しさ、ダンスの技、
どれをとっても全く古びた感じのしない連続でした。
当時、田舎のノーテンキな中学生だったので、米国の人種差別と言えば
黒人差別しか思い描けず、移民問題など範疇にありませんでした。
更には、白人の中でも、どこからの移民かで、かなり生活にも差が出ていて
そして子供達もそのことが分かっていたので、
うっ積が暴力に出ていた・・・と、あれ? なんか現在とあまり変わってないじゃん!
ジェンダーマイノリティーの登場人物もいましたね。
そして「ロミオとジュリエット」なので、恋人たちの哀しい行き違いを
どう表現していたか、というところは、スッポリ忘れてて・・・。
さすがシェークスピアをリメイクするだけあって、よく練られています。
渾身の作品に仕上がっていました。
ラストのトニーの表情にもう涙決壊。 ハンカチぐしょぐしょでした。
レコードはよく聴いていたので、心の中で泣きながら歌っていました。
エンドロールもオシャレでしたね。
人生のかなりの部分、損した感じでしたが、
今回、映画館で見られて本当に良かったです。
スタートがまさかの「序曲」から。流れるのは耳なじみのあるメロディーだけど、背景に縦の棒線がランダムに並ぶ。形とかが変わっていくのかと凝視してたけど、ベースの色だけ変化して棒線は変わらず。しかし、序曲が終わるとそれが導入に!うまい!座布団一枚!
始まってすぐセリフもなくダンスが続く。物語の設定説明までダンスがこなす。わかりやすく、洗練されている。60年経ってもまったく古びてない。すごいとしか言いようがない。そして、音楽が本当によい。名曲揃い。バーンスタイン天才。
物語はロミオとジュリエットを下地にしているので、一目惚れから一気に悲劇へと突き進む。結局、どこの国だろうと、いつの時代だろうと通用する設定ということか。とすると、一番すごいのはシェークスピアってか?
映画のレビューから離れてしまうが、ミュージカルの舞台が2019年8月から、IHIステージアラウンドで来日キャスト版、日本キャスト版(配役3パターン)で連続で上演された。が、惜しくもコロナウイルス感染拡大防止のため、途中から公演中止となってしまった。迷ってないで行っておけば良かった。映画の歌唱はほぼ吹替らしいが、舞台はナマ声だから、きっと迫力があっただろうなぁ。コロナ後の復活はすぐにはならないだろうが、微力ながら応援したいと思う。
また、マリアとの恋もバランスよく、ストーリーに組み込まれている。それだけでなく、移民の実情、不良が何故不良となったか、コメディとしてミュージカル化している。さらには、ボーイッシュな女の子まで登場し、血は流れないが、警官を非道に描く等、社会的な一面もある。
ここまでを網羅した映画が未だかつてあっただろうか。
もうこのダンスシーンどこを切り取っても、ワンシーンが作品に入っているだけで賞は確実とさえ思う。
特に好きだったのはプエルトリコ系の内情を歌った場面。女性は綺麗だし、男性のキレの良さには本当に驚く。アニタが特に好き。表現力の塊か。
ただ、自分がダンスというものにあまり興味を抱かない理由もわかった気がする。人の謙遜や遠慮に魅力を感じる自分にとって、ダンスとはそれと相反する魅力を包括するものだと思う。いかに表現するか、いかにこれまで習得したことをこなすか。それを重要とするダンスは、そういった意味では私の好みとはかけ離れている。もちろん美しいことは認めるが…。
それにしても、登場人物のそろったカラーのジャケットとか、心地いいくらい見惚れましたな。また、エンディングの壁の落書きもすき。
ナタリーウッド。初めてだったが、びっくりするくらい綺麗。結婚式を再現するシーンとか、もう最高にキュートでした。しかも結構、夢見がちで薄情な恋愛頭な感じも、好きでしたな。
ラスト、これでいいのかって感じだけど、やっぱりあれでよかったんだな~。
これが、すべての映画の原点だとしても全く疑わない。
実際、「ベイビードライバー」とか影響受けてそうだなってすぐ連想したし。あとは、ラ・ラ・ランドとか?
スピルバーグのリメイクはどうなるのだろう~~
しかもアンセルエルゴートだってよ~ベイビ~~
最初観たのは小学校4年生の時。映画の素晴らしさを知ったのは確かこの作品がきっかけではなかったかなぁ。
圧倒的なアメリカのミュージカル🇺🇸に惚れ惚れしたのがつい昨日のようです。
良いものはいい。何十年経とうが色あせない名作ですね。