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エクスクロス 魔境伝説評論(6)
この作品を一言で言うと、お色気サスペンスグロアクションホラーラブコメB級映画。
その都度頭を切り替え全部拾えるかどうかで評価が分かれると思います。
頭の固い方は観てもおもんないと思います。
テンポはいいです。
山奥の阿鹿里村。露天風呂もある温泉地で、宿泊施設は数棟あるコテージ。女子大生水野しより(松下奈緒)は傷心旅行のつもりで、友人火請愛子(鈴木亜美)が調べた秘湯にやってきた。実は浮気をした恋人朝宮(池内博之)がしよりとヨリを戻すために愛子に頼んだ旅行だったのだ・・・。2人はそれぞれ違った恐怖を味わうことになるのです。
しよりは村人に足を切られる生贄の対象。そして愛子は自分が振った男の元カノから狙われるのですが、その対決シーンが一番の見せ場。元カノと名乗ったレイカ(小沢真珠)はハサミを自在に操り、執拗に愛子を追いかける。隠れる場所の少ない村であるためか、なぜだかトイレに縁のある愛子なのです。そしてハサミに対抗する必殺技は“まぜるな危険”攻撃であったり、チェーンソーであったりと、シチュエーションは過激ながらも大笑いさせてくれる。こうなったら恐怖を味わうホラーではなく、笑って盛り上がるためのB級映画なんだと鑑賞心構えを改めなければなりません。
こうしてハサミ女vsチェーンソー女で楽しんだ後には急におとなしくなって、失速感まで味わえるのです。その間、ヒロイン2人が水と火だから青と赤の光を使っているんだろうとか、XXの意味は二刀流ハサミ使いのレイカだったのか、などと色んなことを考える隙を与えてくれました。そして、序盤には圏外となっていた携帯もその後はずっと調子良かったとか、電話番号を良く覚えていたもんだとか、余計なことまで考えてしまうのです。
中盤の鈴木亜美対小沢真珠の章だけは大満足でしたが、終盤はかなりのドタバタホラー。「8時だよ全員集合」のドラマの終わり方みたいでした。
キレのいい、サイコーのB級のエンターテインメントでした。
深作健太監督がここにきて肩の力が抜け、ふっ切れた感じです。
最近のホラーはやればやるほど、恐怖と笑いが紙一重となっていますが、
この作品は冒頭から出来の良いホラーと見せて、快調に飛ばすうちに
一体どうなってしまうんだという、驚きと思わず笑ってしまう楽しさに
満ちた映画でした。
主演の一人、松下奈緒さん。
今が旬のキレイな女優さんで、お洒落な恋愛映画が似合いそうな
人ですが良く出演してくれました。
恐怖におののく表情も魅力的で、やっぱりホラーには美女が似合います。
もう一方は、鈴木亜美ちゃん。
「虹の女神」などにも出ていましたが、それほど印象にはなかったものの
今回の映画では実に達者な演技で、女優としても魅力的に思えました。
彼女がブチ切れて簡易トイレから飛び出し、小沢真珠演じるレイカと
バトルするシーンは、快哉を叫びたくなるシーンでした。
映画はこのあたりから、加速度的にぶっ飛んでいくのでした。
それにしてもこの映画の小沢真珠さんには、大拍手です。
些細なことには目もくれず、委細構わず心地よいテンポで見せてくれ、
あえて観客のために、ツッコミどころを満載としたかのような映画でした。
現場の楽しさが、そういった場面から窺い知れるようでした。
ホラーの名作からのオマージュのような場面も、笑わせてくれます。
ツボを押さえつつ、新鮮な驚きを感じる場面を次々に見せてくれました。
最後のオチまで、タップリ楽しませてくれます。
シャパニーズホラーが流行り、流行りに乗って安易に産み出されたホラーミステリー作品。
出演者のファンとかB級好きならお薦めしますが、痛みの伝わる方じゃない痛々しい映画かと思う。
鈴木亜美の出演で話題になったという記憶しかないですが結構面白かった。この作品の素晴らしさは、そのストーリー展開です。深作健太監督なかなかやります。あまりグロっぽくないホラーですが光る演出とそのカメラワークで段々と怖さを増加させます。足ってポイントがいいですね。池内の足フェッチ度も突き抜けています。裏切りの裏切りを様々な角度で演出しています。観てて飽きないよね。小沢真珠の突き抜けた演技も素晴らしい。スピード感もあって最期まで楽しめました。日本のホラーもやるよねって感じです。