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デメキング評論(2)
いましろたかしの原作は好きだ。終わってないけど、終わってないからこそか、とても興奮する。
原作の空気感はなんとなくあった気がするのでB。
映画だけ見る人には苦痛かも。
現実に未来を知る事は出来ない。今の現状から鑑みるに暗い未来が待っているかもしれない。今よりもマシになっているかもしれない。もしかしたら、とんでもない転機が訪れ輝かしい、明るい未来になるかもしれない。ポジティブでもネガティブでも人は未来に向かって行かなければならない。停滞する事も、もちろん後戻りする事も出来ない。選択肢は無く全ての人間(人間に限った事では無いが)は未来に進む。
もし、たとえば20年先の未来で、自分が前人未到の偉業を成し遂げる事を知ったなら?未来を運命付けられてしまった人間は、来るべき時までどう過ごすべきだろうか?
「デメキング」は未来を知ってしまった男の孤独と、未来を夢みる青年が対比して描かれる。
未来を夢みる青年は、部活動をやめて近所の小学生たちのリーダーとなり、同級生のいじめに会いながら、これから進む未来を明るく見積もり毎日を過ごす。
未来を知ってしまった男は、もはや来るべき時までをただただ純粋に「生きる」。極端に暗くは無いが、知っている以上の明るさは持てない。なぜなら夢はすでに提示されているのだ。
この映画は漫画「デメキング」そのものを象徴している。
誰にも伺い知れない未知の事がらの中にだけ、無限に輝く未来は存在できるのだ。