アメリカの児童文学作家ノーマン・ブリッドウェルの名作絵本「クリフォード
おおきなおおきなあかいいぬ」を実写映画化。ニューヨーク、マンハッタンの公園で、寂しがり屋の少女エミリーに拾われた赤い子犬クリフォード。エミリーからの愛情を一身に受けたクリフォードは、ある日突然、驚くほど大きくなってしまう。大企業の社長にさらわれそうになったクリフォードを守るため、エミリーや友人オーウェン、エミリーのおじさんケイシー、さらに個性豊かな近所の人々も奔走する。監督は「アルビン4 それいけ!シマリス大作戦」のウォルト・ベッカー。音楽に「グレイテスト・ショーマン」のジョン・デブニー。
でっかくなっちゃった赤い子犬 僕はクリフォード評論(3)
子ども向けというのは大前提として、吹替え版の上映の方が圧倒的に多いのは仕方ないし、その通り子ども向けの王道ストーリー。というかターゲット層的に王道でなければならない。
自分に自信がなく、周りに溶け込めないエイミー。他の子と違うことは個性である……。何百回、何千会、何万回と、使い倒されてきている「個性」に対する提議。
真っ赤で大きな個性的すぎるクリフォードに対しては、そんな問題は小さすぎる問題。そんなエイミーとクリフォードが出会うことで、周りを巻き込んでいくコミカル・アドベンチャー。
ペットを飼った人や、子どもがいる人は、それなりの感動シーンもあったりするが、それも王道的。
今作が一番良かった点は舞台をニューヨークにしたことだ。
ニューヨークというロケーションがスパイスとして、大きな役割を果たしていて、エイミーがクリフォードに跨って、ブルックリンブリッジを駆け抜けるシーンは、画的なインパクトがある。
子ども向けでニューヨークで異質な存在が駆け回る映画の中では、最近なら『トムとジェリー』なんかと比べれば一番楽しいシーンが盛りだくさんな作品だ。
悪役はいることにはいるが、基本的にニューヨークの街の人たちがみんな優しくて、クリフォードを捕まえた者に報奨金を出したというのに、誰もつかまえようとしない。バウンティーハンターが狙ってくるような展開もない。
王道と優しさに包まれた作品で、子どもと一緒に観る映画としては合格点な映画なのは間違いない!
続編の製作が決定しているらしいが…..これで上手くまとまっているだけに、シリーズ化しない方がいいとは思う。
現代の子供たちはこういう作品を見て育つ事が出来、
とても幸せだと思います。
大人視点ではつい食事代や維持費に
どれくらいかかるのだろう??と考えてしまいます。
コスモピアと言う出版社の月刊誌 "多聴多読マガジン" の中で紹介された絵本『Clifford the Big Red Dog』が載っていたのを思い出す。
本作『でっかくなっちゃった赤い子犬 僕はクリフォード』の絵本はどちらかと言うとこのアクションシーケンスのある映画とは違い短文でもエミリーとクリフォートの日常を簡潔にやさしく描いていたものだったけれども『おさるのジョージ』のように愛されるテレビのアニメ版のようにクリフォードの活躍に近いのかもしれない。ただアニメでは言葉を話しています。
何といっても絵本ではクリフォートが巨大化する要因とか原因を描いていなかったはずだけれど原作者をオマージュするようにブリッドウェルの名前で不思議おじさんとして登場したのが、イギリスのコメディアンを代表すると言っても過言ではないジョン・クリーズが元気な姿でご出演されていた。けれども見た目がかなり変わっているのには『モンティパイソン』よりも『フォルティ・タワーズ』が好きな者にとっては、彼の若かりし頃しか記憶が無く時間がストップしているようにあのスリムで長身の方が... ギャップ感が半端ではない。
クリフォードが巨大化してから話の流れが悪くなりCGIも子犬の時よりかは雑になったような気がする。その上、遺伝子組み換えの動物たちが出てくるのはいいけど頭が二つで胴体が一つの羊がキモ過ぎる。昔、商店街の入り口近くに羊ではなく同じ姿の小鹿のはく製を飾っていた漢方薬のお店を思い出す。その異様なものを置く店主の考えが今でも分からない。鹿の角は精力剤として有名としても... でもコメディ映画としたら最後はうまくまとめ上げているので終わりよければ全て良しではないけど子供用コメディと考えたら楽しめたのは言うまでもないこと。