国民的アニメ「ドラえもん」の長編映画41作目。1985年に公開されたシリーズ6作目「映画ドラえもん
のび太の宇宙大戦争(リトルスターウォーズ)」のリメイク。夏休みのある日、のび太が拾った小さなロケットの中から、手のひらサイズの宇宙人パピが現れる。パピは、宇宙の彼方の小さな星、ピリカ星の大統領で、反乱軍から逃れて地球にやってきたという。スモールライトで自分たちも小さくなり、パピと一緒に時間を過ごすのび太やドラえもんたち。しかし、パピを追って地球にやってきた宇宙戦艦が、パピを捕らえるためのび太たちにも攻撃を仕掛けてくる。責任を感じたパピは、ひとり反乱軍に立ち向かおうとするが……。監督は「ケロロ軍曹」劇場版シリーズなどを手がけ、「映画ドラえもん
のび太の月面探査記」では演出を担当した山口晋。脚本に「さよなら、ティラノ」「サイダーのように言葉が湧き上がる」「交響詩篇エウレカセブン」などアニメ作品を多数手がける佐藤大。
映画ドラえもん のび太の宇宙小戦争(リトルスターウォーズ) 2021評論(8)
しかも、作画も最高峰に凝っていて、冒頭の「ミニチュアによる特撮シーン」からセンスが良いです。出木杉君が行う爆発シーンの撮り方など、まさに特撮そのもので、いろんな発見があると思います。
ちなみに、この「ミニチュアによる特撮シーン」は「STAND BY ME ドラえもん」の白組とのコラボで実際にミニチュアを作っていて、それを2Dアニメーションに上手く合成させる手法を取っています。
物語自体も1985年版の「ドラえもん のび太の宇宙小戦争」を進化させていますし、最後まで安定して面白く、良い作品になっていると感じました。
強いてダメ出しをすると、中盤に流れる曲が私には少しピンときませんでした。何かを流すのであれば1985年版の武田鉄矢の「少年期」を使っていたら、より良かったと思いました。
また、ゲスト声優の関係なのか、一人だけ声のトーンが違うようなシーンがあったりもしましたが、この辺りはご愛嬌という感じでそれほど気にはなりませんでした。
テーマ曲のOfficial髭男dism「Universe」も良かったですし、今年は全体的に出来の良い当たり作品でした。
本作はピリカ星という惑星での物語でしたが、現在の世相とも一致し、いま見ておきたい作品にもなっていると思います。
特にクライマックスの改変はかなり良かったと思います。
中弛みもなく、素直に楽しめました。
あと、しずかちゃんのあのシーンをちゃんとやってくれたのが最高。
マイナス1点は、やはりゲスト声優さん。
大事なシーンで白けさせられました…
でも、見進めていくうちに同世代からしたらスゴいヤツ、スーパー小学生なんだろうなと感じました。
強運人たらしのび太。
しっかり者しずかちゃん。
現実派メカニックスネ夫。
恐いもの知らずジャイアン。
ブレーンドラえもん。
普通にいたらスゴい子たち。
声に関して。
松岡さんはハーフハーフ。
松岡さんぽかったりピイナだったり。
香川さんは、香川さん。
最後、大○田さんかと。
圧巻だったのはやはり声優さんたち。
梶さんの変貌ぶり。あの青年声はどこえやら。跡形も見つからなかった。
朴璐美さんも凄かった。完全に、パピ。
少年。
この方本当にすごい。湯婆婆だったり、ゴーストバスターズの母親だったり。
全部ちがう。正に七色の声。
お二人共さすがでした。
インタビューで松岡さんが好きなキャラはスネ夫と仰っていた。
作品をみて、『ナイスアシスト!』と。
こども達のお話なので終始どうしてももどかしい部分は出てくる。
でも、それ込みでも結果ハッピーなところや感動的なところで補えるものが十二分にありました。
主題歌がまた作品に深み、厚みを与えていました。良かった。
途中ビリー・バンバンの不思議。
中高年スタッフさんのいたずら?
そしてそろそろ出来杉くんを仲間にしてくれ。不憫に思ってしまった。
中弛みもなくとても良かった。
より深く理解したいのでもう一度みるつもりです。