他人に恋愛感情を抱かない女性が周囲と向き合いながら自分自身を見つめる姿を描いたドラマ。30歳の蘇畑佳純は物心ついた頃から恋愛がよくわからず、いつまで経っても恋愛感情が湧かない自分に不安を覚えながらもマイペースに生きてきた。大学では音楽を志すも挫折し、現在は地元のコールセンターで苦情対応に追われる日々を送っている。妹が結婚・妊娠したこともあって母からは頻繁にプレッシャーをかけられており、ついには無断でお見合いまでセッティングされてしまう。そこで彼女が出会ったのは、結婚よりも友だち付き合いを望む男性だった。「ドライブ・マイ・カー」の三浦透子が主演を務め、中学時代の同級生を前田敦子、同僚を北村匠海、妹を伊藤万理華が演じる。「his」のアサダアツシが企画・脚本を手がけ、劇団「玉田企画」主宰の玉田真也が監督を務めた。
そばかす評論(7)
映画 #そばかす (2022年)鑑賞
アセクシャル(無性愛)をテーマにした映画
惚れやすい人間としては感覚的には理解し難い問題ですが、最近、NHKでも #恋するふたり をやってたから認識が広がりつつあるんだろうな
#三浦透子 さんの演技に注目
Filmarksさん試写会ありがとうございました
主人公は一人だけれども、登場人物それぞれの主観が交錯する、群像劇の面白さ。
長回しでフッと空気が変わる瞬間がたまらなく好きなので、しょっぱなの合コンシーンから心を掴まれました。
気まずい空気や感情のすれ違いが、いちいち笑えます。
「人生は間近で見ると悲劇だが俯瞰で見ると喜劇である」とは喜劇王チャールズ・チャップリンの言葉ですが、登場人物それぞれの思いが手に取るように伝わる演出だからこそ生まれる笑いで、息のあった演技のアンサンブルも見事でした。
とくに坂井真紀さんの絶妙なタイミング!
伊藤万理華ちゃんの自然体に感じる演技も好き。笑わせてもらいました。
そして三浦透子さんの
相手を傷つけてしまって、自分も傷ついて
…これ、何度も経験してきたんだろうな。と思わせる演技に胸を締め付けられました。
主人公は両親の期待に応えられない二つの負い目を感じている。
人として生まれたのに性的な関心の無い自分
音大を出たのにチェロを弾いてない自分
失望させたり悲しませたくないので、諦めてくれる日を待っていたように写ります。
決して特別な人だけが抱える特別な問題ではない。
さまざまな出会いを経て変わっていく主人公から、一歩踏み出す勇気をもらえる映画でした。
長靴のピッピ、赤毛のアン、キャンディ・キャンディ。あと『耳をすませば』の夕子ちゃん。
“そばかす”は多くの少女達が社会通念への疑問を感じるファーストアイコンだと感じます。
生まれつきの事にとやかく言ってくる社会を知り、全く気にしない強さに憧れ、コンプレックスに感じることはないと確信する。
生まれながらの「蘇畑佳純」
そばかすは彼女の魅力のほんの一部。