「ソウ」シリーズの脚本家リー・ワネルが監督・脚本を手がけ、透明人間の恐怖をサスペンスフルに描いたサイコスリラー。富豪の天才科学者エイドリアンに束縛される生活を送るセシリアは、ある夜、計画的に脱出を図る。悲しみに暮れるエイドリアンは手首を切って自殺し、莫大な財産の一部を彼女に残す。しかし、セシリアは彼の死を疑っていた。やがて彼女の周囲で不可解な出来事が次々と起こり、命まで脅かされるように。見えない何かに襲われていることを証明しようとするセシリアだったが……。主演は、テレビドラマ「ハンドメイズ・テイル
侍女の物語」のエリザベス・モス。
透明人間評論(20)
まず、透明人間というと「映画を見ている側も透明人間を視覚的に認識できるんだろう」なんて考えておりましたが、これをいい意味で裏切ってくれた点が良かったと思いました。
次に、個人的に「ここがこうだったらどんな映画だったんだろう」という点は、エイドリアンとセシリアの関係を映すシーンがもう少し多ければという点でした。エイドリアンを【ソシオパスというよりも先天的な支配型のサイコパス→高iqの天才で孤独→サイコパス的自己愛により自分より劣っているセシリアに執着】みたいに脳内補完しながら物語を見ておりましたが、これが事実と異なるとすると、最後のセシリアの行動を含め、実はセシリアの方が異常者なんて言う解釈も出来るのではないかと感じたためです。もちろんこのように考えさせる事を目的としているのかもしれませんが…
ただ総じて、楽しく見ることが出来た映画だったので良かったと思っています。
内容は面白いよ。
序盤は理由はわからないが、男の元から逃げる女。なかなかハラハラ。余分な説明セリフもなく、あとから、付き合っていた時もかなり酷い事をされていたんじゃないかと容易に想像出来る。
恋人同士の頃のエイドリアンの存在、人物像(むしろ顔さえも)等あまり表現されていなかったのが逆に気持ち悪さを感じれて、想像も出来てよかった。
私自身、予備知識ほとんどなく観たから、色々な現象が起きているのも裏をかいて本当に精神疾患なんじゃないか?それとも本当に透明人間がいるのか?観ている側も正解がどちらなのか分からなくなった。
そして男からの酷い扱いの洗脳から逃げてきた女を見事に演じていた。
息づかいを感じるたび、ドキドキした。
最近2時間超える映画を観ると「まだ終わらないかな?」と途中で飽きてしまうのが続いていたけど、この映画は本当に最初から最後までずっと見入ってあっという間に終わってしまった。
とにかくタイトル変えてくれ!
ホラー映画は怖がらせるメインでストーリー性に欠ける映画が多かったりしますが、この映画はホラー要素はもちろん、サスペンス映画的な要素も兼ね備えているストーリーでした。ただ透明人間が襲ってくるだけじゃなく、ちゃんと人間関係も絡んできたのが凄く良かったと思います。
透明人間の視覚的な恐怖と、人間の内に秘めている闇が同時に体感できる、そんな映画でした。ホラーやサスペンス好きな方以外でも十分楽しめると思います(^^)
当日は仕事も順調に終わり、金曜日特有の高揚感も相まって、本作への期待値も上昇。
期待はそこそこがいい。とわかっていても、あげちゃう自分は相変わらず学習能力が低い、、
オープニングタイトルロールを観てちょっとあかん予感はしたんですが、ストーリーが始まってから緊張感ある流れで、それは打ち消され、ゼウスのところで当日1番の驚き。
が、そこまでで後は、乗り切れず終わってしまった、、
ただエリザベス・モスは最高な演技だった。「アス」でこちらの恐怖心を駆り立ててくれる表情を見せてくれ、本作では逆に恐怖に怯えながらもしたたかさを見せる表情が素晴らしかった。
あんな素敵な造りの家に住んでみたいけど、寝るときは真っ暗で波音の無いところがいいなぁ。
屋敷から逃げる静かでスリリングな展開から、突然迫るショック場面の導入部分まで演出は冴えており、その後の静かな侵食と罠にはまる過程もサスペンスフルで、リー・ワネル監督の手腕は見事。
透明人間に貶められて翻弄されるセシリアを演じるエリザベス・モスは、一人格闘や絶望を超えて気丈に立ち向かう女性を巧みに熱好演。「ターミネーター」のサラや「エイリアン2」のリプリーと並ぶ境遇を超えて凛々しく立つ女性の系譜だと思う。
対する透明装置を創作する程の知能持つのにゲスな富豪科学者の人物造形も終盤まで姿を見せないのにも関わらず、その数々の嫌がらせ行為で自尊心が肥大した卑劣漢を匂わせるところも見事。何せ飼い犬に全知全能神のゼウスと名付けるあたりは、大概にしろだと思う。
不気味な透明人間が姿を現すあたりから、絶望・アクション・ピンチ・逆転と展開して手に汗握り楽しめて後味も爽快で、ちゃんとした女性賛美を感じます。必見。