麦秋(1951)

7.7/10
共48評論
類型   プロット
時長   124分
語言   日本語
地區   日本
編劇   野田高梧
台灣上映   10月03日 1951
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麦秋(1951)劇情

製作は「自由学校(1951 渋谷実)」「虎の牙」に次ぐ山本武。脚本は「宗方姉妹」と同じく野田高梧と小津安二郎との共同執筆。監督は「宗方姉妹」に次ぐ小津安二郎作品。撮影は常に小津作品を担当する厚田雄春。出演者は、「西城家の饗宴」の菅井一郎、「自由学校(1951 渋谷実)」(松竹)の笠智衆、淡島千景、杉村春子、高橋豊子、「白痴」の原節子、東山千栄子、「天明太郎」の佐野周二、「あゝ青春」の三宅邦子、「恋文裁判」の二本柳寛、「初恋トンコ娘」の井川邦子などである。

麦秋(1951)演員

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麦秋(1951)評論(20)

Diuyppaenh
Diuyppaenh
若い頃に小津映画を見たとき、正直つまらなかった。淡々としてクールな演出や映像表現が欧米で受けているのかなあとそんな受け取り方をする西洋人の浅薄さのようなものを感じたりして。しかし年を重ねてからこの映画を見ると、日本人の微妙な心のやりとりや美質を、失われつつある日本人の内面的な品性を表現したかった小津の気持ちがよく理解できるようになった。これは傑作であると。同時に見た「晩春」と並び優れた作品である。
eoiqmc
eoiqmc
・子ども2人が出てくるとわくわくした
・杉村春子があまり目立たないなぁ、おかしいなぁと思ってたけど後半の展開で納得
・自分で結婚を決めた紀子に対する家族の反応が時代を表してる。いや、ひょっとして現代も陰でそういう反応してるのか?
Hibdaonlur-kigwrd
Hibdaonlur-kigwrd
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一見地味な物語ですが、そこには人間の心の変遷や営みが豊かに描かれており、偉大なる傑作でした。さすが現在でも語り継がれる巨匠・小津安二郎。

本作は結婚の話ではありますが、次男の喪失を家族が乗り越える話でもあると感じました。間宮家は一見平穏そうであり、実際に平穏に暮らしているのですが、戦争で次男を失うという、非常にヘヴィな傷を抱えています。不在である次男を語る場面になると、映画のトーンがグッと重苦しくなります。戦死通告が来ていないから、母親は受け入れられていないし、父親も「戻ってこない!」という口調からは無理に突き放しているようにも見えます。

そんな中、末子・紀子の結婚話が勃発します。あまり結婚についてポジティブな言及をしない、勧められた相手の写真をシカトしようとする等、紀子はもともと結婚そのものに対して関心が低いように思います。
そんな紀子が物語の中盤で突如結婚を決意するわけですが、相手・流れともに突飛な印象を受けます。しかし、その相手が兄とつながりの深い人物であり、決意の直前に、その人物から兄からの手紙を受け取る約束をする等、紀子の結婚の決意には失われた兄が深く関係しているように思えました。
紀子の決断は、個人的な意志を超越したもののように思えます。まるで、向こうからやってきたものにフッと応えたような、突然だがとても自然に感じられたのです。大いなる力が、兄の存在を内側に留めようとしているように働いているのではないか、と思えてならないです。

この決断に家族は反対します。その奥底にある理由は、認めたくない次兄の死を受け入れざるを得なくなるからかもしれません。しかし、傷を癒すには向かい合うしかない。紀子の決断は自分のためでもあり、家族の再生のためでもあったのでは、と考えています。

紀子を突き動かした力は、次兄を含めたこれまでの間宮家の歴史なのではないでしょうか。穏やかに、愛を与え合う家族だったからこそ、家族の内なる力があった。だから家族が受けた傷を自らの力で癒せたのでしょう。ここで家族はついに麦秋という収穫のときを迎え、次兄を送ることができ、家族写真を撮り、それぞれの道に進むことができたのだと思います。
中盤に風船が空に舞い上がるシーンがありますが、振り返ると、まるで次兄の魂が天に還ってゆく姿のようにも感じられました。

『もののあはれ』という言葉があります。いずれ消えていくものが持つ一瞬の美しさと哀愁、といった概念だと思います。ベースになるのは無常観。裏返せば、永遠なるものを得ることのできない諦念や虚しさがあるとも言えます。小津はもののあはれへの感受性が強く、それを見事に映画化してきたように想像してます(断言できるほど小津を観てないので)。

しかし、本作はもののあはれの一歩先を行っていると感じます。
最もよい時期=麦秋を迎えた家族だが、再びその時期を迎えることはできないかもしれない。一見、わずか一瞬だけの幸福であるようにも思えます。
でも、そうではないのです。これまでの間宮家の積み重ねが実りのときを迎えたのです。そこに虚しさはありません。彼らが重ねてきた過去は業績で、永遠なのです。次兄が間宮家で過ごした日々は、決して失われることはないのです。

変化や成長は、今までのことを喪失することでもあります。そこには寂しさが生まれます。しかし、間宮家の人々は寂しさをじんわりと味わっています。それができるのは、充実した過去があるから。このように、次のステップに進むために感じる寂しさを噛みしめ味わえることこそが、幸福のひとつの形なのではないでしょうか。
本作は、そのような深い意味の幸福を描いているように感じました。

演者について。原節子は相変わらず美しく素敵でした。大柄なので西洋の女優のようなセクシーさがありますね。オフビートギャグも冴えており、イサムちゃんのコメディリリーフっぷりは最高です。
あと、食事シーンがなんか良いです。登場人物がみな旨そうにご飯を食べるので、鑑賞後やたらと白米を食べたくなりました。ケーキよりも白米が良かったです。
Clyrtiitfudf
Clyrtiitfudf
これにて紀子三部作制覇。

相変わらず冒頭から平々凡々の日常生活が描かれていく。そして又々定番の嫁にいくのか、いかぬか問題。正直ちょっと食傷ぎみ。その他の事件は起こらぬものか?
来た来たー!子どもがいじけて、なんと食パン蹴っ飛ばしよったで。当然怒られる子ども、えっ、でもそれだけ?こら、フルボッコにせなあかんのちゃう?挙げ句はいじけて帰らぬ子どもを総出で探す家族ばかぶり。ほっとけ!
これが唯一のヤマだった。突如自ら決めた結婚も今ひとつのインパクト。
三部作の最高峰に推す人も多い本作だが、私は見る順に…舞台もキャストもほぼ変わらずでどんどん慣れてしまうからかな。しばらく嫁にいくやらいかぬやらは敬遠しよう(笑)
wbwkrkg
wbwkrkg
戦後日本のスクラップ&ビルドを家族というフィルターを通して描かれている。小津映画でもかなり地味な部類

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